第294話 天羽々斬《あめのはばきり》
「ハチヤ。四人を雇ってあげて。まずは料理を任せようか。そのあと適正を見てから配置を変えようか」
「オッケー」
ボクの判断にハチヤは素直に受け取ってくれた。
「トウジは?」
「港に行っているよ」
島から船が来てるんだからそうか。
「アクアを呼ぶか」
アクアはボクの直属。呼べばすぐ来てくれるのだ。
「ボス、魔物退治か?」
もうボクの考えがわかるようになっているよ。
「まーね」
ニヤリと笑って返した。
しばらくマニュアーに乗ってなかったし、DXを動かしてやろうじゃないか。魔物ならボクでも倒せるだろうからな。フフ。
「なにもボスが出なくても」
「楽しいことには積極的に参加するものだ」
「しょうがないボスだよ」
呆れるハチヤに手を振って部屋を出た。
スマホを使ってアクアを呼び出し、ボクとハラーシはフィービーに跨がって山のほうに向かった。
三十分くらいしてアクアが現れ、上昇してアクアと合流した。
「お疲れ。サドラ村へよろしく」
「オッケー」
歩いて二日の距離もアクアなら一瞬。山間のサドラ村にやって来た。
五十軒ほどの家が集まり、倉庫のような建物があった。どうやら材木の村のようだ。
「熱反応はどうだ?」
「村から十キロ離れた場所に三十くらいの熱源がありますね。体長は三から五メートル。熊に似た生命体です」
「熊か。よくいる魔物だな」
雑食で生命力が高く、人をも食らう。冒険者組合でよくある討伐対象だ。
「狩るにはいい獲物だ」
マニュアーの外装を傷つけることも出来ない獲物ではあるが、これからやるのは狩りだ。弱くもなく適度に走ってくれる。
「十キロも離れているなら村に音も届くことはないな。少々騒いでもいいだろう」
アサルトライフルにサプレッサーを付けた。音はかなり小さくなることだろうよ。
「出るのはボク、ハラーシ、ハゼフだ」
ハゼフはアングラール王国の要塞を占拠した部隊から逃げ出した四人の中の一人だ。アクア乗員となったのだ。他はアクア2に乗っています。
「ジージーたちは上空で支援よろしく」
ジージーたちはボクの護衛隊。ボクが動くときは着いて来てくれる。
DXに乗り込み、新アサルトライフルをつかんだ。熊なら問題ない威力の武器だろう。いや、強すぎるかな? 対物ライフルの弾くらいあるものだからな。
「そのときは、天羽々斬を使えばいっか」
天十握剣は乃木坂さんにあげてしまったので、新しく打ったDXの新しい剣だ。
「よし! DX、参る!」
後部ハッチから外へと飛び出した。
フライトユニットも調子よく、天候も悪くない。狩りをするにはいい日だぜ!




