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ファンタジーワールドにSFが落ちて来た!  作者: タカハシあん
第16章

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第290話 唆し

 ソドが艦橋のコンソールを叩いてライエンクルの状態がどうなっているかを確かめた。


「完全にグージー側に支配されていますな」


「まあ、仕方がないだろう。ルクセル側のほうが損傷が甚大なんだから。あのまま戦っていたら滅ぼされていたよ」


 そして、この星がメチャクチャにされていたことだろう。ほんと、ジージーと知り合えたことが奇跡でしかないよ。


「そう、なんですがね。わかっていても納得は出来ません」


「グージーの技術を知れるいい機会だと思えばいいし、ルクセル人の数を考えたら戦艦二隻あれば充分だろう。双方、まずは本隊と合流しなくてはならないんだからな。元の宇宙に還ってすぐ戦闘とはならないんだから」


 次元を越えた場所に双方の仲間がいるとは思えない。いたとしても観測衛星くらいだろう。消えた仲間を捜すなんてことするとも思えないしな。どちらも兵士なんて使い捨てにしてんだからさ。


「君たちが取れる選択肢は少ない。元の宇宙に還りたいなら現状を受け入れることも必要だ。まだ、グージーに手が入ってない戦艦があるんだからな。生き残れるなら戦艦一隻くらい差し出すくらい許容しなよ」


「……あなたは狡猾ですね……」


 なんか宇宙人に呆れられてる!


「狡猾じゃないと生き残れない時代だったし、戦争はただ殴り合えばいいってものでもない。それでどうにか出来るなら君たちの戦争は終わっているよ。双方、共倒れって結果でね」


「上層部に聞かせたい言葉ですね」


 へー。そういうこと考えていたんだ。


「現状を変えたいなら変えられる立場になるしかないね。上は下の言葉なんて聞きやしないんだからさ」


 上には上の正義があり、下の正義など雑音としか思ってない。自分の声を上げるには上に立つしかないのだ。


「唆しているんですか?」


「事実を言っているだけさ。君の声は上に届いたことはあるかい? 下の声に耳を傾けたことはあるかい? あったのなら謝罪させてもらうよ」


「いえ、そのとおりでした」


 宇宙が違っても戦争をする知能の持ち主ならそう変わりはないさ。戦争なんてエゴでやってんだからな。


「下剋上、簒奪、革命、下だった者が上を破って立つなんて歴史を探ればいくらでもある。ルクセルにもあったはずだ。上を食らい立ったヤツが、な」


 身分があり、地位があるなら必ず起こっている。独裁者は長続きしないと相場が決まっているのだから。


「煽らないでください」


「やるやらないはソド次第。でも、今が好機だとボクは思うな」


 ククッと笑ってみせた。

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