第286話 採掘場
戦艦ライエンクルが係留されていたのは基地ナンバー1から少し離れた採掘場にあった。
働かざる者食うべからずとばかりに、資源採掘をさせ、その働きによって食糧を渡しているらしい。
大丈夫か? と思ったが、毎日いいものを食えるとがんばって採掘しているそうだ。
戦艦に乗るなら身分はよさそうだが、食事は身分に合わせてよくなるものじゃなかったようだ。
「美味いもの食っていたらなんのために戦っているかわからなくなるよな」
「そうね。もう昔の食事には戻れないわ」
プやデのカルチャーショックを受けたジージー。顔付きがもう他とは違くなっている。まあ、頭の中のチップがあるので、完全に変わったってこともなかろうが、可愛くなったのは事実だ。
「なに?」
ヘルメット越しではあるが、ジージーの頭を撫でてしまった。
「星に帰ったら美味しいものを食べようか」
「ハンバーグに蒸かし芋が食べたいわ」
「蒸かし芋にはチーズを乗せようか」
なんてたわいもない話をしていたら採掘場に到着。ルクセル側の戦艦と、武装が少ない戦艦(輸送艦か?)が二隻、係留されていた。
ここを任せられているのはハラーシと同じ警備兵で、六人で監視していた。
いや、六人は少なくね? と思ったが、グージー全体を見たら結構人を割いている、のかもしれない。
戦艦が動いている様子はなく、シャレインが一機、飛んでいる。降伏したとは言え、敵を信じることなく厳重に見張れる数を用意した、ってことなんだろうな。
グージーの区画へと通信を入れてもらい、入港許可をもらった。
「かなり厳重にしてるな」
「侵入されても困るしね」
ルクセルに侵入させるだけの兵がいるかは謎だが、マルシアは油断してないってことだ。
係留橋にシャレインを留め、宇宙服のまま外に出る。
まだまだ環境が整っていないのだろう。戦艦の一部を小惑星に埋め込んで使っているようだ。ジャンク感が凄い。
戦艦の一部は問題なく動いているようで、中に入ると重力が働いていた。
ジージーには情報があるのか、迷わず先を進み、ボクはそれに続いた。
結構、大きな戦艦だったようで、ここを監視指揮をする部屋までかなりの距離を移動した。
「ルクス84、ジージーだ。こちらはレイ。戦艦ライエンクルを受け取りに来た。艦長代理の許可番号だ」
脳内で承認作業が行われているようだ。
「承認番号受信。命令許諾。戦艦ライエンクルの命令権をジージーに譲渡する」
なんか固いやり取りだな。まだプもデもカルチャーが届いてないのだろう。ハラーシも最初はこんな感じだったな~。




