第284話 基地ナンバー1
久しぶりの空母アルレシア。
「なんか人が少ないね~」
「仕事が分散したからね」
とは、ハチニだ。ライクが抜けたあとを継いで機関部の班長となった者だ。
見た目も若く、まだ二十八歳だとか。グージーでは新米を抜けたくらいの立場らしい。もう若いってのが感じるくらいだ。
「悪いね、忙しいのに案内してもらって」
アルレシアと基地ナンバー1の機関部も担当しているそうだ。
「構わないよ。重力炉も安定しているしね」
基地ナンバー1の重力炉は、戦艦から移したものなんだとさ。
さすがに戦艦の重力炉では基地ナンバー1のすべてのハチニプレア(エネルギー)を補うことは出来ず、重要なところ以外は無重力状態になっているそうだ。
「やっぱ、もっとも人手が欲しい感じ?」
「そうだね。忙しくはないんだけど、見回る場所が多いって感じだね。寄せ集めで造ったから上手く回らないところや、接触不良、負荷が掛かったりと、一日数回は起こる。もう移動が大変だよ」
これだけ広いのに移動が徒歩(無重力状態のところは浮遊移動)。戦艦の中で、決められた場所にしか行かなかったのだから辟易もするだろうよ。
「ふふ。それが世界の広さを知るってことさ。星に降りたらたくさん歩いてみるといい」
「歩くとか原始的ね」
これがジェネレーションギャップか? 女子高生みたいな感覚だな。
戦艦から取り出した重力炉が見れる場所に到着。管理するのは二人しかいないらしい。
「人手不足もここまできているのか」
「二人もいればいいほうよ。一人で複数を受け持つ者もいるからね。わたしも五つも見なくちゃならないわ」
そりゃ大変だ。クッキーをあげるからがんばって。
「美味しい! あの星ではこんなものを食べているの?」
「こういうのもあるよ」
収納の鞄からアイスクリームを出してあげた。
「美味しい! なにこれ美味しい!」
味覚も若いようで、アイスクリームの美味しさに驚いている。プロトなカルチャーを起こすのは食からでも行けそうだな。
「そうだろうそうだろう。食堂で食べれるようにしておくよ」
山の家や島ではもう食べられている。造る機械もあるので運び入れるとしよう。マルシアにはさらなる葡萄酒攻撃で認可をもぎ取るとしよう。
ソフトクリームを食べる女の子とは可愛いものだ。ボクは金属を見るほうがほんわかするがな。
「いい重力炉だ」
見てわかる。いい金属を使っている。あ、残骸をもらっていかないと。剣を打つ鉄がなくなりそうだったんだよな。
「もっと食べたいな~」
「そのうち食べれるようになるから我慢して」
駄々をこねるハチニを宥め、次のところに向かった。




