第282話 小惑星帯
ジージーのシャレインに乗せてもらって宇宙に出た。
空母アルレシアは、この星系の第五惑星と第六惑星の間にある小惑星帯にある。
重力兵器に巻き込まれた戦艦を集め、再建している途中だ。
と言っても今は失われた材料資源の確保。小惑星帯を調べ、使えそうな金属を採取をしているそうだ。
「ショートワープに入るわ」
グージーの言葉では違う。ボクに合わせて言葉を変えてくれているんです。
星の光がモニター中心に集約され、消えたと思ったら宇宙が映し出された。
目視で着けるわけもないので、ナビゲートされてアルレシアに向かっている。
星を飛び立って一時間ちょっと。二十一世紀の科学技術では絶対に辿り着けないだろう場所に、全高二千メートルの卵型小惑星をくり貫いて基地を造った。
基地の名前はない。基地ナンバー1とだけ付けられた。
集めた戦艦が警戒しているのが見えた。
「使える戦艦は今いくつなの?」
「五隻よ。ただ、動かせれるのは二隻ね」
材料集めに大忙し、ってことだろうよ。千人もいないんだから。
基地ナンバー1に進み、桟橋的な塔にドッキング。空気はないようなので宇宙服のままでシャレインから出た。
無重力に慣れてないので、ジージーにつかまって移動する。
塔の中を進み、いくつかのハッチを潜ってやっと重力と空気があるところに到達出来た。ふー。
あの星でここまで辿り着けたのはボクが初めて。歴史的偉業──ではないが、なんかモニュメントでも作って飾っておきたくなるな。数百年後の人類が発見したら大騒ぎしそうだ。
「やっぱ、重力があるといいや」
「慣れると楽でいいわよ」
「ジージーたちの骨格は金属だからいいが、生身のボクが長いことここにいたら星の重力に耐えられなくなるよ。ジージーたちも重力下でいないと筋肉のほうが劣るだろう?」
「まあ、そうね。でも、すぐ治せるわ」
どんなかは聞かないでおく。電気的治療とかだったら嫌だし。
全高二千メートル。幅八百メートル。まだ徒歩移動なので、歩く歩く。そして、底重力化になった階段を昇る昇る。もっと施設を集約出来なかったんか? てか、アルレシアにいろよ、マルシア!
やっとこさマルシアがいる司令室に到着。ここに移す必要性あったか?
「艦長代理、久しぶり」
「そうだな。わたしも星に行けばよかったよ」
「ハールが文句言うんじゃない?」
今は戦闘位が高い者がいない。マルシアの次がハール。その下は七位とかだ。縦社会では第七位の者が第四位を押し退けて上に立つことは許されないそうだ。
「はい、地上のお土産。心を落ち着かせたいときに飲むといい」
最高級の葡萄酒を渡した。




