第280話 笑い話
「……つまり、レイは、わたしたちを利用するというわけですか……」
「それは、君もグージーも同じだろう。まさか、ボクの言葉を信じて下ったわけでもあるまい。低文明の生命体に従うなんて嫌だろうしな。従っているのは目的のため。ただ、それだけ。違うかい?」
そういうところも合理的。わかりやすいところだ。
「否定はしない」
「でも、肯定もしない、ってまで言うものだよ。否定は肯定になっているんだから」
「…………」
「難しいだろう、会話って? ときには真意を隠してしまうが、言わないことに真意があるとわかってしまう能力も鍛えられるものだ。それは直感であり、君らの超能力に通じるところもある。人間の脳は無限大なのさ」
捨てたものにも未来はあり、可能性はあったってことだ。
「もっとも、だから君たちは会話を捨てたんだろうね。敵は倒せばいいって。でも、戦争は今でも続いている。合理的、効率的ってなんだろうな? 戦争をしていることが非合理的で、非効率なのにさ」
自ら求めたものに否定されている。とんだ笑い話だ。
「終わらせ方も考えないで、勝てばいいと始めた戦争ほど長引くものだ。なんて言ったっけ? この状況を表した言葉。 あー……そうそうコンコルド効果だ。君たちで言うなら、敗けを取り返すためにさらなる兵を投入して勝利を求めている状況だ。損切りも出来ない。方向を変えることめ出来ない。ただ、自軍を摺り潰すだけ。相互確証破壊って言葉もあったな。まさにその状況をボクは見ているのか。ねぇ、合理的ってなに? 効率的ってなんなの? 是非、数百年先を行く種にご教授いただきたいものだ」
答えられないだろう。種族生存の法から抜け出せない種なんだからさ。
「……意地悪を言わないでください。わたしたちに答えれる権限はありません」
「権限ではないだろう? ただ、考えるのを放棄しているだけだ。これまでの戦いを否定することになるんだからな」
そう言ってもソドが感情的になることはなかった。ただ、ボクから視線を逸らすしか出来なかった。
「まあ、なにが言いたいのかというと、だ。お互い、目的のために利用し合いましょうってことさ。これこそ合理的で効率的だろう?」
「……レイは、それでよいので?」
「いいに決まっているじゃないか。君たちに協力すればこの星の技術が飛躍的に上がる。ボクの望む状況になるんだ、君たちに協力しない手はないだろう?」
そこにちゃんと裏切られた場合も考えておくんだからねっ。ウフフのフ。




