第275話 ジェベリック(転生?)
「いや、この星の生命体だよ。ただ、魂には別の星の記憶が残っている」
「……ジェベリック……」
なんだ、ジェネリックみたいなのは?
「へー。ルクセルにはそういう概念か知識、いや、事象があったりするんだ」
グージーにはなかったのに、ルクセルにあるとは驚いた。
「ウワサ話や眉唾ものとして残っているだけです」
「脳を管理されてないだけにルクセルはまだ自由のようだ」
自由というより放置か? 人権ないし。
「ボクのところではよく聞く話だね。実際、ボクと同じ星の記憶を持つ者がいる。こうして君の前に立てていることでも証明にもなるんじゃないかな? まだボクの精神を支配出来ないでいるだろう?」
なんかモヤモヤしたものが頭に浮かぶが、精神は穏やかなもの。ボクのままでいられているよ。
「……この星の生命体は厄介です……」
「厄介ならまだいい。だが、厄介で済まないのがこの星だ。君は、精神感応力は凄いのだろう。脅威なのは認める。だが、この星にはたくさんいるぞ。君の力に対抗出来る生命体なんてな」
チートか! と叫びたくなるくらいの魔法使いはいる。ただ、その力を使う場面がないだけ。チート能力者は絶対にいるだろうよ。
「そこで提案だ」
「提案、ですか?」
「ああ。ここで戦って君がボクを屈服させたとしよう。で、そのあとはどうする? ボクの様子は宇宙から見られている。君の姿も生体情報も握っただろう。特定されたわけだ。君がどれほど強かろうと、一度標的になったら逃げられない。困難と判断したら宇宙から高熱兵器で焼いてしまえばいい。まず逃げられないだろう」
「だから降伏しろと?」
「降伏しろとは言ってない。君を倒すならさっさとやっている。ボクがこうして君の前に立ったのは提案するためだ」
ソドにはまず勝てる。が、ソド一人がここにいるわけではないはずだ。戦闘タイプって感じではないからだ。なら、護衛の一人や二人はいるはずだ。宇宙からの眼から逃れながらな。
「ボクはグージーに協力しているが、グージーの軍規に縛られることはない。ルクセルと戦う理由も持ってはいない。中立の立場にいると言っていいだろう。実際、ルクセルのマニュアー乗り、超能力者を傘下にした。攻撃されない限り、ルクセルと戦うことも禁止している」
「よく、グージーがその条件を飲みましたね」
「ボクには君たちがいた宇宙に還せる希望を持っているからさ」
「……本当なのですか……?」
「成功率は高いと思うが、残された艦隊を戻すとなると何十年と掛かるだろう。グージー側はそれでも構わないと言ったよ」
マルシア辺りは命令には逆らえない。時間が掛かっても戻ることを選ぶしかなかったんだろうよ。




