第271話 油
予想どおり、オリーブに似た油だった。
オレンジとは違う木が生っていたからもしかして、とは思っていたのだ。
「いいね。食卓が豊かになる」
ボクのグルメ細胞が活性化した今、昔のような食卓には戻りたくない。毎日美味いものが食いたいです!
「あ、レイ。ルクセルの索敵機から情報が吸い出せたと報告が上がったわ」
オーリブの実って、どう食べたらいいんだと考えていたらハラーシが宇宙からの報告を伝えに来た。
「消さなかったか、消せなかったか、どっち?」
「消さなかったのほうね。不時着の衝撃が大きすぎてシステムがダウンしたみたい。データは無傷だから吸い出せたみたいね」
「よく活きていたものだ」
五体満足に見えた。なんか理由があるのかな?
「どうもわたしたちを見張っていた索敵機だったようで、かなり前から調べられていたようだわ」
「その情報は本隊に送られていたの?」
「そこまではわからないけど、情報が膨大なことから細かく情報を送っていたかもしれないわね」
「その情報量って、個人でも持てたりする? 外部記録媒体とかに詰めて」
「……訊いてみる」
宇宙と交信を始めた。テレパシーみたいでいいよな。おしゃべりし放題じゃないか。ってまあ、おしゃべりでもないんだけどさ、ボクって。
「レイ。持てるそうよ」
「じゃあ、持っていると見たほうがいいね。グージーとしては許容出来る?」
と、スマホが鳴り、誰かを見たらマルシアからだった。もしもし。
「レイ。そのルクセル人を捕まえて。情報を本隊に渡さないで」
「生きたまま? それとも死んでも構わない?」
「生きたままよ」
「オッケー。生きたままね」
マルシアとの通信を切った。
「可能なの?」
「あっちが抵抗してきたらわからないね。だが、見た感じ、携帯武器しか持ってなかったからそう難しくはないだろう。周辺に戦艦や突入艇の反応は?」
「周囲百キロに反応はないわ」
「百キロ外にはあるんだ」
「脱出ポッドらしき反応があったわ。戦艦から射出されたもののようだわ」
その位置をスマホに送ってもった。
「あの位置にいたのは、脱出ポッドの仲間と合流しようとしてたんだね。ってことは、待機突入時にはセンサー類は生きていて、連絡を取り合ったのかもしんないね」
「よくわかるわね」
「単なる憶測さ。すべてが偶然かもしれない。もしかしたや、脱出ポッドの反応を捉えて、合流しただけかもしれない。ボクの言葉をあまり信じちゃいかんよ」
予想推測憶測。ただの妄想なだけかもしれない。鵜呑みにせず、自分の頭で考えるようにならんといかんぜよ。




