第270話 宇宙薬
「いや~ありがたい! 埋めるのも手間だったからな!」
集落の人たちは大喜び。埋めようとしていたオレンジまで持って来てくれた。
まあ、傷んだものは外してくれたので、ありがたく買い取らせてもらった。
「ちょっと資金が足りなくなったんで薬でもいいですかね? 結構、いい薬ですよ」
宇宙技術でこの星に住む者に合わせた薬を造ってもらった。そこまで効果は高くなく、そこまで低くもない。数日薬を飲めば治るくらいのものだ。
「それはありがたい。ここでは医者が来てもくれんからな」
医者はいるんだ。いないほうが通常なのに。ここは医療が発展しているのか?
「これが熱冷まし薬。これは腹痛薬。月のものを抑える薬。赤ん坊が熱が出たときの薬。これは傷薬。こっちのは傷を負ったときにはる貼り薬──」
と、薬の説明をする。
文字はグージーの言葉なので、読み書き出来る人に名前と説明を書き留めてもらった。
「明日もまた来ますんで、集めててもらっていいですか?」
さすがに量が量なので数日にわけて買いに来ることにした。他の集落にも声を掛けてもらうのもお願いした。
「ロンガー一家、助けて~!」
「止めろ! なんかバカにされている気分になるわ!」
そう怒るのはグージー商会との窓口にさせられたバルガさん三十六歳だ。
「なんなんだよ、今度は?」
「いや~、人手が欲しくて。オレンジを運ぶ荷馬車とか用意してください」
「なんか人格変わってねーか?」
「これが素なんですよ」
美人秘書は終わり。てか、ボクには似合ってなかった。やっぱ、素でいるのが一番だ。
「うちは、お前んとこの下請けじゃねーんだぞ」
「わかってますって。お金は弾むのでお願いしますよ。あ、これ、賄賂です」
ブランデーをバルガさんに渡した。
「堂々と言うな。やるなら黙ってやれよ。周りが見てんだからよ」
賄賂はしていいんだ。まあ、ダメだと言われてもやるがな。許される時代なんだし。
「アハハ。バルガさんは反応がいいから好きだな~。グージー商会に来ない?」
「行かねーよ! おれはロンガー一家に身を捧げてんだからよ!」
それは残念。きっと楽しく一緒に働けたのに~。
「ったく、わかっよ。何台だ?」
「十台くらいあれば足りると思う」
トウジにテレポステーションなら十台もあれば充分だろう。輸送船も増やしてもらわないとな。
「そんなに買って大丈夫なのか? 腐るだろう」
「うちは巨大な倉庫を持っていて、五年は貯蔵出来る魔法があるから大丈夫。余っているものを買い占めてもいいよね?」
「価格を落とさないならこちらとしてはありがたい限りだ」
「よかった。他にも余っているものがあるなら買わせてもらうよ」
「それは、油でも構わないのか?」
「もちろん」
にっこり答えた。




