第269話 アルジール(索敵機)
道行く人々に見られる。
まあ、無理もない。こんな鉄の人が歩いているのだ、誰でも見るわ。わたしでも見るわ。見ないほうが逆に怪しい……のがいたわ……。
「マジか」
そんなギャグみたいなことにびっくりだよ。
「レイ、どうしたの?」
「ルクセル人がいた。今、通りすぎた冒険者風の男だよ」
「原住民に見えるけど?」
うん。ボクもそうだと思った。あまりにもルクセル人に見えなかったから。よく原住民に紛れたものだと感心するよ。
「上空から金属反応がないか調べて」
「オッケー。ルクセル人はどうするの?」
「放置で構わないよ。この星に適応しているみたいだからね」
適応出来るだけで敵対しないのがわかる。そのままファンタジーライフをお送りください、だ。
しかし、ルクセルのほうが適応力は高いよな~。まあ、ファンタジーはそれほど甘くないから宇宙アイテムがないと厳しいがな。
「アルジールがあったそうよ」
「アルジール?」
「索敵機ね。ステルス性が高い機体だけど、今は反応があることからして不時着したようね」
なるほど。索敵機とかもあるんだ。
「回収出来そう?」
「スクラップにしかならないわね。データがあるかも怪しいわ」
その映像をマニュアーに送ってもらった。
「確かにガラクタになっているな」
三十メートルくらいはあったのだろう。なんとか不時着出来たが、木々や岩でボロボロだ。修理よりスクラップにしたほうが早いだろうよ。
「念のため回収しておいて」
まったく情報が得られないってこともないだろう。なにかあるはずだ。
「オッケー。回収班を向かわせるわ」
あとは宇宙にいる連中に任せて先を進んだ。
しばらくしてオレンジ畑が見えて来た。
収穫が終わりそうなのか、木にはそれほど生っていない。いや、もう収穫された木のほうが多いな。無駄骨だったかな?
さらに進むと、集落が現れた。
「ジージー、先に言ってボクらが来ることを伝えて。ロンガー一家に世話になっている商会だってね」
冒険者として授かったコミュニケーション能力に期待だ。
「レイ。買ってくれるなら歓迎するだってさ」
「ご苦労様。話のわかる人らでなによりだ」
どこかのJのAがあったら話がややこしくなるかな~と思ったが、そうでもなくてよかった。
怖がらせないようゆっくり進んだが、やっぱり理解出来ないものは恐ろしいらしい。もっとカラフルにしたほうがいいだろうか?
集落の前で停まり、マニュアーから降りた。ほら、怖くないよ~。
女が出て来たことで恐怖は抑えられたようで、まず子供が駆け寄って来た。
どこの世界も子供の好奇心は恐れ知らずだよ。




