第268話 困ったときの
アイスは宇宙から届けられ、冷蔵庫で管理している。
「ハチヤやトウジの世話をしてくれる家政婦を募集するか」
二人は家事なんて出来ない。魚は切り身で存在すると思っている宇宙人だ。そんなヤツらが包丁やら鍋やらを握れるわけがない。
外食させてもいいが、飲んだくれになる未来しか見えない。食事管理させないと丸く肥えるだろうよ。
「とりあえず、困ったときのロンガー一家だ」
そう思ってお願いしたら呆れられた。
「うちはグージー商会のなんでも屋じゃねーぞ」
「ちゃんと紹介料は払いますので、お願いしますよ。あ、我が商会はこんなお酒も扱っておりましてね。皆様で試飲してみてください」
宇宙ブランデーを渡した。
「酒か?」
「はい。味は飲んで確かめてください。氷を入れたりすると味が変わってよろしいですよ」
秘技、袖の下。緩い時代に乾杯だ。
「レイ。わたしもここに残りたい」
支店に戻ると、ハルアがそんなことを口にした。
「……ボクは構わないが、シャレインから降りることになるぞ……」
「補給船に横付けしてくれたら二人に送ってもらえば問題ない」
意外と考えていた。
「じゃあ、ハルアはマニュアーを担当にしよう。土木作業とかでマニュアーの有用性を広めてもらおうか」
マニュアーが珍しいものじゃなくなったらマニュアーを造りたいと思う者も出てくるだろう。技術はそういうヤツらが出てきてこそ発展するのだから。
「ハラーシ、ジージー、出かけようか。残りは支店を快適にしておいて。お酒は仕事が終わってからだからな」
「わかってるって。動いてからの酒は美味いからな」
「ええ。ビールを冷やしておきましょう」
ルクセルはやる気はあるんだが、欲に忠実すぎる。御しやすくて助かるのは助かるんだがな……。
「どこに出かけるの?」
「オレンジを買いにさ。あますことなくグージー商会がいただくよ」
宇宙技術があれば何百年と保管しておける。無駄にあるときに買っておこうじゃないか。オレンジ酒も造れそうだし。
今生のボクの舌は甘めのお酒が合っている。オレンジ酒ならゴクゴク飲めそうだ。
マニュアーのサイズに合わせたリヤカーを引いてオレンジ農家を回るとする。
ちなみにジージーはフィービー(エアバイク)で先頭を進んでもらう。まだマニュアーを知らない人が多いから人が率いているけなとを知らしめるためにだ。
「ジージー。この辺の地理は頭に入ってる?」
「ええ。リキが上にいるから常に情報は更新されているわ」
上を見ると、シャレイン2の信号があった。姿はまったく見えません。
「オッケー。オレンジが生っているほうに向かおうか」
「じゃあ、北ね」
ってことで北に向かった。




