第264話 絞り器
剣の価値がわかったロンガー一家は、剣聖と接触するために動いてくれるそうだ。
ちなみにこの港町は、エマンの町と呼ばれ、ローラルト王国の一部なんだとか。一応、ボクが住んでいたトカルタ王国と同じ大陸にある。まあ、二千キロくらい離れてはいるがな。
その間、ボクらは町でお買い物。金の板を換金。さあ、なにを買おうかなと町を回ろうとしたらなんとオレンジが売っていた。マジか!? 気候的にそうなのか? 買いだろう!
他も探ると、どうもオレンジの産地なようで、オレンジを売る屋台はたくさんあり、どうも主な輸出品のようだ。
独占なのかと思ったらそうでもなく、どこでも大量に買え、すべてを買っても怒られなかった。むしろ、すべてを買うと喜んでもらえた。
「去年から豊作でね、価格も下落しているんだよ。だから買付に来た商人も安く買い叩いているのさ」
なんでか人のようさそうなおばさんに尋ねたらそんな答えが返ってきた。
「それならもっと買っても怒られないね」
「怒りゃしないよ。むしろ喜ばれるさ」
ってことなのでロンガー一家にご相談。オレンジを集めてもらうことにした。お金の力でな。
「とんでもない量になってきたからマニュアーで船に運ぼうか」
フライトユニット二型(ローターユニット二基)で空を飛び、樽を一つずつ運んだ。
これがヘリコプターならとんでもない費用が掛かったことだろうが、マニュアーのエネルギーは反重力炉で生み出されている。
半永久炉みたいなものなのでプレアも半永久的に生み出される。溜めておくバッテリーも高品質なものなで、数千回は充填出来るものらしい。
そんなものを戦争で使い捨てにするんだから人は業が深いいきだよ。
「空を飛べたりもするのかよ」
「魔力は食うがな」
説明はライルに任せて、絞り器(握り潰し系)を打った。やっぱ飲み物にしたいっしょっ。
自分の握力に感謝しながら次々と絞り、一リットルくらい溜めてみた。
「どれ、味見してみようか」
まずはボクが飲む。グージーもルクセルも果物なんて見たこともないだろうからだ。
「──うん。悪くない」
品種改良しているわけでもないだろうから酸味のほうが強いが、ちゃんと甘さはある。飲み物として充分通じるものだろうよ。
「美味しい!」
「まあ、悪くはないな」
グージーやルクセルの舌にも合うようだ。宇宙でも飲めるようにもっと買うとしよう。もっと果物を探したらミックスジュースとか作れるんじゃないか? 行く行くはミックス牛乳も行けるかも。
なんか夢が膨らむばかりだ。ふふ。




