第261話 出島かな?
機能を落としたマニュアーを船に積み込んだ。
他にもバレンタスシア大陸にあったサトウキビみたいな植物から取れる蜜で加工した黒糖を積むとする。
あまり精製すると悪目立ちするので、黒い塊ならそう騒がれたりはしないだろう。よくわからんが。
他にもトリケラトプス似の竜の骨を積んだ。組み立てて金持ちに売るとしよう。皮も加工して鎧を作ってみた。実用性があるかはわからんが、宣伝用にはいいだろうよ。
……やっぱ商人が欲しいよか。ボクの頭ではこのくらいしか思い付かんわ……。
五、六百キロなら半日も掛からんで到着出来るだろう。海面上を飛ぶことが出来る船だから。
「……なんか、身も蓋もありませんな……」
そこはごめんよ。ボク、船には興味ないんだ。航海なんて三十分で飽きる自信しかないのです。
朝の九時くはいに出て十五時のおやつ前には陸が見えて来た。
ここのやり方からして旗で船籍を確認しているらしいので、他に似たような旗と白無地の旗を掲げて進むとする。
ザンテカの町よりは遅れているようで、小島に灯台があったり小舟が見張っていたりはしない。ただ、珍しいことに人工の島があり、右から左に接岸する感じだった。
「出島かな?」
まさか鎖国とかしてないよな?
とりあえず様子を見て、三日後に接岸出来そうになったので自然な感じで接岸させた。
やはり船の管理はしているようで、役人っぽい男と五人の兵士が槍を持って待っていた。
「グージー商会所属の船、マルシェン号だ。航路開拓のためにやって来た。一応、証明書はあるが、まだ同胞が来た様子ではないようだな」
羊皮紙にアングラール王国の文字でそれっぽいことをレーサープリンターで写し、金箔の印を打ってある。偽造したってレベルではない。これを普通に作ったら金貨数枚は必要になるだろうな。
「初めて見る文字だし、グージー商会も聞いたことがないな」
「よかった。なら、我々が一番ということだな。こちらの金がないのでこれで払わしてもらえないだろうか?」
金の板(これにもアングラール王国文字で金だよ~って刻んでます)と、黒糖を入れた袋をボクが役人に出した。
「こっちの袋は?」
「我が商会が主に扱っている黒糖だ。舐めてみてくれて構わない。不安ならこちらが舐めよう」
「いや、確かめるのも仕事だからな」
小さな黒糖をつかんで舐めてみる役人。仕事熱心やね。
「……甘い……」
「これは料理に使うもよし。そのまま舐めて味わうもよし。他の国では人気の品だ。あ、これは船員名簿と品書きだが、文字が読めないなら口頭で説明しよう」
「それはこちらでやる。中を見せてもらうぞ。病人はいないな?」
「いない。全員元気だ」
役人や兵士をマルシェン号に案内した。
ちなみに船、マルシェンとは飼い猫の名前らしいよ。




