第252話 アングラール王国
R18にされた者たちは宇宙へと連れて行かれた。
なんかもうアブダクションではないかと感じてしまうのは気のせいだろうか? ま、まあ、深く考えるのは止めておこう。
「さて。よく眠れたかな?」
アブダ──戦力外とされた者を集めた。
身なりがよくなると印象も変わるものだ。人間性も失われてないようだし、よかったよかった。
「は、はい。久しぶりにゆっくり眠れました」
「君は、かなり身分がよさそうだね。どこかいい家の人?」
年齢は三十前くらいか? 体格がよく、目も意思が強そうだった。軍人とかか?
「アングラール王国海軍甲板長でした」
「海軍? この国に海軍なんてあったんだ!」
この国はアングラール王国。農業国ってことだ。海運も盛んだが、海軍がいるなんて話にも出なかったぞ。
「あったというか、滅ぼされました。海軍船は三隻しかなかったので」
あーうん。そりゃ滅ぼされるわ。ナメてんのかって話だ。
「……なんというか、大変だったね……」
危機感のない上司を持つと大変だ。海賊に蹂躙されても自業自得としか言いようがないよ……。
「敵は賢いね。本気を出されない程度に収めているんだから。王国全体から見れば誤差みたいなものなんだろうね~」
じわりじわりと侵食して行く感じ。相手は粘着質な性格してんだろうよ。
「はい。真剣に対処しようとする方はいませんでした」
アングラール王国は事なかれ主義に陥っているのか。危機に晒されてから本気出す、って感じなんだろうよ。
「戻りたくない側にいるが、本当にいいの? 甲板長ならそこそこの身分なのでは?」
もしかして貴族だったりする?
「戻っても責任を負わされるでしょう。生き残りが他にいれば別ですが……」
その生き残りが生きていたら海賊と繋がっている算段が大きい。下手に生きて戻ったら口封じに合う、ってこともあるだろうよ。
「まあ、新しい人生を謳歌したらいいさ。奥さんや子供がいるなら連れ出してもいいよ」
「いえ、大丈夫です。独身で三男坊なので」
「他にも海軍だった者はいる?」
と、二人が手を挙げた。
「二人も戻りたくはないんだね?」
はいと頷いた。
「わかった。ボクが面倒見るよ。戻りたい連中はザンテカの町に連れて行く。知り合いに面倒をお願いするから故郷に帰るといい」
ライルさんには手間を掛けさせるが、そこは報酬を渡しておくとしよう。金銀財宝はたくさんあるんだし。
「もし、ボクらのことを聞かれたらグージー商会に救われたと言ってくれ。魔法に長けた者が多かったとね。指揮していたのはレイって女だったと」
知られたところで問題ナッシング。王国に知られたところで力でねじ伏せたらいい。海賊にも勝てない王国なんてな。




