第247話 私掠免許状
あれだけ騒がしくしたのに逃げなかったとか、見つからない自信があったんだろうか? ちょっと浅慮じゃね?
建物を壊さず、ここにいた連中を排除している。こりゃ、生け捕りは無理かな? と思っていたら五人も生かしてボクの前に連れて来た。ハラーシは一人だ。
「ご苦労様。ロイドたちはお酒を探して来ていいよ。ただ、飲むのは帰ってからだからな」
「オッケー!」
と、駆けて行くロイドたち。まったく、欲望に忠実なっちゃって。
「さて。一度しか質問しない。答えるのも答えないのも好きにしたらいい。あんたらの背後にいるのは誰だ? もしくはどこの国だ?」
ボクが女とわかって侮った顔になった。ボク、そんなに可愛く見えるか? 結構、背が高くて威圧されてるみたいって言われてたんだがな~。
「沈黙は否定と取らせてもらうよ」
それでも嘲るような顔を見せた。ナメてんな~。
「まずそいつの首を刎ねて」
一瞬の躊躇いもなくハラーシが指を差した男の首をスパッと斬った。
数瞬の間を置き、首が転げ落ちて血が噴き出した。スプラッタ~!
あまり見て楽しいものではないが、悲鳴を上げるほどのものではない。Gに似た虫を見たときは「キャアァァァァッ!」と悲鳴を上げたっけ。見ていた弟に大笑いされたので殴っておきました。
「次」
「まっ、待ってくれ! しゃべる! しゃべるから! 殺さないでくれ!」
「次」
ハラーシが剣を振るって首ちょんぱ。いい切れ味だ。
「ラルシア王国の命だ!」
「ハラーシ、ストップ」
「この国の船を襲えと命令されたのかい?」
「そ、そうだ! 私掠免許状を持っている!」
私掠免許状? この世界にもあるんかい。てか、この国って戦争してんの? そんな話、出て来なかったが?
「どんなもの? あるなら見せてよ」
「や、屋敷にあります」
「じゃあ、持って来て。あ、逃げられる自信があるならやっても構わないから。全員を殺してからゆっくり探せばいいだけだし」
もちろん、逃げ切れないときは天にレッツゴーしてもらうがな。
「も、持って来ます!」
そう叫んで走って行き、五分くらいで戻って来た。ご苦労様。
「これです」
羊皮紙を丸めたもので、紐を解いて中を見ると、なかなか立派なものだった。
「文字も立派だし、判も細かい。サインも書き慣れているっぽいな」
文字が外国語なのでわからんが、冗談で作ったものとは思えない。私掠免許状でなくともなにか重要なものだろう。
「ハラーシ。やっちゃって」
悪いね。助けるとは言ってなくて。往生してください。
「さて。こっちには金銀財宝があるかな~?」
さすがになかったらブチ切れちゃうからな。




