第242話 海賊の根城
一時の休憩を挟み、エーデルク号に麦や大麦を積み込んでもらった。
「四百万ロクシェでこんなに買えるとはな」
積み込みで百万ロクシェ掛かった。てか、人件費、高くないかっ?!
「……どこの世界も人件費に悩まされるんだな……」
世の経営者がまず人件費を削ろうと考える気持ちがわかったよ。
ハァー。三百万ロクシェしか利益が出ないとか、命懸けでやる商売なんだろうかね? リスクしかないように思えるんだが? それともボクらがぼったくられてんだろうか? 商売はなんて難しいんだろうな……。
いや、ボクらは儲けるためにやっているわけでもない。食糧確保出来るなら細かいことは気にするなだ。
「レイ。海賊の根城が大体わかったわよ」
ボクらが休んでいる間でも働いていてくれたジージー。君は本当にいい子だよ。撫で撫でしちゃう。
「…………」
撫で撫でしたら照れ臭そうにするジージーちゃん。ユリの花を咲かせないでね……。
スマホを出して海賊の根城の情報を送ってもらった。ここには皆もいるからな。
ボクは画像しか見れないが、海賊の根城なんてクズともが集まって出来たようなもの。なにか重要施設があるわけでもなし。これで充分だ。
「結構な海賊船がいるな」
「商船も混ざっているわ。海賊が奪ったものを買っているみたいね」
なんじゃそりゃ? 欲しいなら普通に取引したらいいじゃないか。海賊から買うと安くなるのか? 手間でしかないし、リスクでしかないだろう。
「宇宙にも海賊っているの?」
「いるわよ。軍から逃げ出したヤツが組織して輸送艦を襲ったって話が流れてくるわ」
この中でサリーが年長者っぽく、結構裏のことまで知ってそうだ。
「ルクセルにもそんなヤツらがいるよ。脱走したヤツらが徒党を組んで終わった戦場を巡って残骸を集めたりしてるってな」
ロイドが肩を竦めている。
「ルクセルは脱走者が多そうだな」
シックスやロイドたちも脱走者だし。
「まあ、逃げたとしても生き残れるヤツは極少数だろうがな。逃げる先がないんだから」
双方とも帰れる星もなく、どちらも軍事国家みたいなもの。所属しないと生きるのは無理ゲーなんだろうな~。
「わたしたちは運がいいほうね」
「おれたちも運がいい」
全員の目がボクに集中する。
「ふふ。ボクも運はいいほうだからな。こうして運のいいヤツらが集結したんだろうさ」
実力は大事だ。だが、最後に物を言うのは運だろうな。こんな過酷な宇宙で生き残れているんだから……。
「さて。海賊の根城から金目のものや食糧を奪い取るよ」
奪っていいのは奪われる覚悟があるヤツだけだ。




