第241話 儲かるのか?
ザンテカには四組の人足組合があって、ボクたちは白組を使わないといけないとのことだった。
なかなか利権臭がプンプンとするが、そうしないといけない歴史があったのだろう。知らんけど。
まあ、別に歴史を知りたいわけでもなし。郷に入っては郷に従え、だ。
「白組頭のロダルだ。なにを運んで来たんだ?」
「葡萄酒だよ。グージー商会で扱っているものだ」
対応はまずボクが当たるとする。さすがにサリーには無理だからだ。
「ほぉう。葡萄酒か。それはいいものを運んで来てくれたよ。ここじゃ葡萄酒は希少だからな」
麦作りが大半で葡萄なんて作っている土地はなさそうだった。まったく作らないってこともなかろうが、流通は少ないだろうよ。
「ちょっと安くしてくれるなら一樽お渡ししますよ」
怒られそうならなんちゃって~、とか言おうとしてたらなんか喜ばれた。
……案外、緩かったな……。
クレーン船みたいなのも所有しているようで、網に乗せて小舟へと移す。
なかなか手間が掛かるやり方だが、今の時代では効率的なんだろう。三日かけて五十樽を出して港の倉庫へと運んでくれた。
港では税として十樽も取られてしまった。白組への支払いは別ときてやがる。これ、船主は儲けてんのか?
まあ、ハルジームの町で安いものを大量に買い、リスクほぼゼロで運んでいるのだから半分になったとしても損はない。てか、なにが損になっているかわからんがな……。
倉庫は、ライルさんの伝手で借りたものだ。もちろん、賃貸はこちらが払うんだけどね。
「レイさん」
倉庫に樽を入れ終わる頃、ライルさんがやって来た。
「お久しぶりです」
「はい。無事到着出来てなによりです」
近況報告をして、葡萄酒を卸せる商会を紹介してもらった。
かなり大きい商会のようで、味見したら気に入ってくれて即決してくれ、八百万ロクシェを出してくれた。
八百万ロクシェがどれほどの価値があるかわからんが、ライルさんの顔からぼったくられたわけではないのは察せられた。
「これで麦は買えますか?」
「はい。知り合いの商会をご紹介致します」
本当に優秀な人だよな。いい人と知り合えてラッキーだ。
「あ、これで男たちを酒場に連れてってもらえませんかね? 長い航海で疲れているので」
銀貨を適当に握ってライルさんに渡した。
「余ったら懐に入れてくれて構わないんで。ロイドたちも町を楽しんでくるといい」
ロイドたちも酒を飲むのが好きなようで、毎日飲んでいたそうだ。
「ボクらは適当に宿を探して泊まるから」
グージーは、酒より食い気が強い。美味い料理を出すところを探して楽しむとしよう。
倉庫の見張りは交代で行うようにして、町の中へと出発した。




