第235話 シャルゼン(最下層)
山の家に着いたら四人に部屋を与えて休ませた。
「ジール。捕獲したマニュアーは工場にあるのかい?」
スマホを出してジールに繋いで尋ねた。
「ああ。今、データの吸出しをしているよ」
「わかった。ボクもそっちに行ってみるよ」
せっかくだから勉強させてもらおう。マニュアーはは入口としては適している。トゥエルもいるので教えてもらうとしよう。
工場に来ると、捕獲したマニュアーが吊るされていた。
「トゥエル。マニュアーは動きそう?」
「ああ。エネルギー切れを起こしているだけだからな。情報は今吸出し中だ」
「シックスが乗っていたマニュアーとは違うね?」
なんか安っぽく見えるのは気のせいだろうか?
「これは、二つ前のマニュアーだな。四百年ものだ。よく動いていたものだと感心するよ」
四百年? 使い捨てにしては長いこと動いているな。
「おそらく、シャルゼンのヤツらだろう」
「シャルゼン?」
「最下層って意味だ。と言っても実力が集まっている部隊だから総称としてシャルゼンと呼ばれているのさ」
実力のある最下層か。まさに歴戦の戦士が集まったエクスペンダブルだな。
「肉体改造されているかい?」
「五体満足なのは若いか超優秀かのどちらかだな。たぶん、これに乗っていたのは超優秀なヤツらだろうよ」
判断が早かったのはそのせいか。見立てとおり優秀なヤツらだったようだ。
「最新のを与えられていたら長引いていたかもしれないか」
「まあ、どちらにしろエネルギー切れを起こしていたから遅かれ早かれだろうよ」
確かにそうか。エネルギー切れたら最新も古いもないからな。
「四百年前なら技術も古いのかい?」
「んー。そう変わらないと思うぞ。さすがに整備もなしに四百年も動けるわけないからな。型は四百年前でも中身は百年くらい昔のものくらいにはなっているはずだ。他で使えなくなったものをシャルゼンが受け取る感じだからな」
本当によく生き残れたものだし、そんな優秀なのを使い捨てにするとかよくわからんよ。格差社会なのか? それとも差別社会なのか?
「二機はボクの練習用に使うから四人には最新のを与えてよ」
「ルクセルのおれがいうのも変だが、あの四人は大丈夫なのか? あまりいいウワサを聞かない連中だからよ」
「優秀なら裏切らないさ。ここには美味い料理と人権があるからな」
人権なんて概念がなかったので、働かない者食うべからずを教えた。働け、さすれば食事を与えよう、だ。
「そうだな。美味いものが食えるだけでレイに従う価値がある。酒も好きなだけ飲めるし」
欲に忠実なヤツは扱いやすくて助かる。いい暮らしをさせて帰りたくなくしてやろう。ククッ。




