第233話 消耗品
「……なんだ?」
お、出てくれた。声は若いな。
「ボクはレイ。この星の者だ。わけあってグージー側に協力している。だからと言ってルクセル側と敵対したいとは思わない。この星で生きる者としては戦って欲しくない。もし、元の宇宙に帰りたいならこちらに協力して欲しい。こちらにはルクセル側の者もいる。一日待つから考えてみて。断るなら立ち去るから」
位置がわかったら急ぐこともない。一日ゆっくり考えるといいさ。
「わかった」
あれ? 判断早くない? そこは迷うとこだろう!
「わ、わかった。そちらに行くよ」
通信を切った。
「トウジ。一緒に跳んで。ハラーシは静かに移動して」
油断は出来ない。慎重に動かせてもらいます。
トウジのテレポテーションで跳んでもらい、ルクセル人の前に現れた。
若いと思ったが、四人とも二十半ばの見た目だった。十年戦士かな?
「レイだよ。こっちはトウジ。超能力者だ。軍を抜け出してボクの配下になった」
「超能力者か。初めて見たよ」
「突入艇の者も同じこと言ってたね。やっぱ艦隊では交流がないんだ」
「おれらは消耗品だからな」
自覚ありのエクスペンダブルのようだ。こりゃ、なかなか手強いぞ。
「お腹減っているだろう。まずは腹を満たしてから話をしようか」
収納の鞄から料理を出して四人に食べてもらった。
何日も食ってなかったんだろう。すごい勢いで料理を口に運んでいるよ。
「ルクセルのほうは皆よく食べるんだな」
「まともに食事を出してもらえないからな。たくさん食えるのは上の連中だけさ」
酷いものだ。まあ、だからトウジたちに忠誠心や愛国心が育つことはなかったんだろうがな。
「まだまだあるから落ち着いて食べな」
もう欠食児童みたいな感じだ。ルクセルは放し飼いでもしているのか?
葡萄酒も出してやると、見境なしに飲んでいる。急性アルコール中毒になるよ。
三十分、休みなくどころか終始早食い競争しているかのようだった。そのままショック死しないでくれよ……。
「落ち着いたなら少し眠るといい。ボクらが見張っているから」
信用してくれたか、もう考えるのも億劫になったのか、四人はすぐに眠りに付いてしまった。
「トウジ。食料を調達して来て。買い食いしても構わないから」
収納の鞄とお金を渡した。
「大丈夫か?」
「大丈夫だよ。ハラーシもいれば上から見ててくれるからさ」
「すぐ戻って来る──」
そう言ってテレポテーションをした。なんだ、ナイト気取りか?
枯れ木を集め、火を起こした。
「消耗品も眠っているときは穏やかな寝顔をするものだ」
地面に座り、四人が目覚めるのを待つとする。




