第232話 逃亡者
「レイ。マニュアーを捉えたわ。ここから約四十キロ。海岸線に近くに四つの熱源を感知したわ」
要塞都市、カルデンカに来て二日。逃げたルクセル人を捜すのに二日も掛かってしまった。
「ダミー信号に引っ掛かったみたいよ」
顔に出たかな? ハラーシがその理由を教えてくれた。
「そっか。ってことは、賢いヤツが逃げたんだな」
グージーが上空を飛んだことで見張られていると察したのだろう。どんなヤツなんだろうな。
「ハルジラさん。ボクらはザンデカの町に向かうよ。薬は小屋の前に届けるから商売に励んでよ」
もうルジカン商会から買える食糧もなし。なら、薬はドローンでとどければいいやろ。傘張る量ではないしな。
「はい。よろしくお願いします」
ってことで、トウジのテレポテーションでアクアのところへと跳んだ。
「逃げたヤツらは捉えている?」
モニターを見ているボンドに尋ねた。
「ああ。三人が固まって休んでいる。一人は見張りをしていると思う」
「オッケー。ジージーはマニュアーを回収して。ハチヤも同行よろしく。動けないかもしれないからな」
マニュアーの技術以外に要塞で過ごしていた記録もあるはずだ。ルクセルの状況もわかるだろうよ。
輸送用シャレインとアクアで出発。シャレイン2は支援として上空で待機してもらう。
「あちらからなにかしらの電波とか出してるのか?」
「それらしいものはないな。突入艇から持ち出していたら別だが、そんな性能のいいものでもないし、もうプレアは切れていると思う」
補給もままならない状況だった。使えるものは残ってないのかもな。
「トウジ。マニュアー乗りに超能力者はいないんだよな?」
「いない。おれらとマニュアー乗りは別の戦艦に分けられていたから」
「同じ艦隊に超能力者がいるっては聞いていたが、会うこともなかったよ」
まあ、船を行き来するなんてこともしないか。軍隊だし。
逃亡者たちから四キロくらい離れたところに着陸してもらい、ボク、ハラーシ、トウジの三人で向かうことにする。
隠れるために道なき道を進んだんだろう。見知らぬ星でサバイバルとか無茶をする。それだけ追い込まれているってことなんだろうかね?
上空にいるシャレイン2からの誘導で迷うことはなく、百メートルまで近付いた。
「トウジ。これを届けて来て」
ルクセル人用に造ってもらった通信機をオンにしてトウジに届けてもらう。
「オッケー──」
姿が消え、すぐに姿を現した。テレポテーションスゲー!
「もしもし。聞こえたらそれを手に取って耳に当ててくれ」
さて。どう出るかな?




