第226話 餃子
出したものはすべてルジカン商会に渡した。細かい計算など誰にも出来ないからだ。
ルジカン商会としてもすぐに使えるお金は必要であり、失った船の損失を埋めなくてはならない。まあ、これでなんとかなるってことで手を打ったのだ。
「後学のために、他に売る、って手段はなかったので?」
「運ぶ量に限界があります。売れたとしてもかなり安く叩かれ、古麦は二年と持ちません」
あーまあ、この時代では貯蔵庫なんてないしな。てか、毎年採れるのだから備蓄なんてしないか。今年の分は今年のうちに、ってことなんだろうよ。知らんけど。
「では、麦はこちらで運び出しますんで。どうするかは内密でお願いします」
「わ、わかりました」
「あと、寝泊まりできるところを貸してもらえますか?」
さずかに今日中には無理だからな。
倉庫の間にある人足小屋があり、そこを貸してもらえた。
まあ、さすがに五人で寝るのは厳しいので、野郎二人はアクアに跳んでもらうことにした。
「ハラーシ、夜中にでもコンテナを持って来るように伝えてよ」
シャレインを輸送機に改造したものがある。あれなら二十トンコンテナが四つは詰められる。まあ、十数回で運び出せるだろうよ。
とりあえず今日は休むとする。コンテナが届けられないと話にならんからな。
「今日は餃子にしようか。野菜をたくさんもらったから」
なんかキャベツみたいなのやニラみたいなのもあった。宇宙製調味料は水筒に入れてあるので餃子に近い味は出せるはずだ。
大ボウルに刻んだ野菜を入れたら挽き肉も入れて捏ねる。
餃子が食いたくてこの世界で再現したのでお任せあれ。餃子を焼くフライパンも改良したので羽根付きだ。さすがに皮は用意してなかったのでここの小麦粉から作りました。
下準備で二時間ほど掛かってしまったが、餃子は妥協してはならぬ。手間を掛けるほど美味くなるのである。
熱魔法でフライパンを温め、試し焼きしてみる。
「うん。いい感じだ」
ここの粉と水で捏ねたからいまいち自信がなかったんだよな。でも、いい感じに捏ねられたから皮が破れることはなかった。
「はい、味見」
ボクの舌に合わせたものだから皆に試食してもらった。決して毒味ではない。
「美味い!」
「姉御、美味いです!」
野郎二人の舌にはドンピシャだったようだ。
ジージーとハラーシは黙々と食べているよ。ガッツきすぎだ。
「この調味料に付けても美味しいよ」
宇宙技術によって醤油が造れた。今までは酢胡椒で食べてたんだよな。ボクは醤油に酢。ラー油抜きが好きなのだ。
成功したので次々と作っていく。二百個は作ったので足りないってことはないだろうよ。




