第225話 ルジカン商会
「ルジカン商会の主、コールカンと申します」
母屋的なところに通され、五十過ぎの男性が現れた。
大きい商会なだけに立派な体格をしており、いいものを着ていた。
「ボクはレイ。グージー商会の会長代理補佐をしています。海のむこうから来ました」
とりあえず、お互いの情報を交わし合った。なにも知らないのも判断に困るだろうからな。
「島の開拓で食糧が足りなくなったので大量に買える場所を探していました。もし、売っていただけるのならこれでお願いします」
買い付けに来た証明するために、収納の鞄から銀の延べ棒と金の延べ棒を三本ずつ出した。
「足りないのならもっと出しますし、別のものでも構いませんよ。ボクは錬金鋼術士なので簡単な魔道具ならお売り出来ますんで」
今持っているのは水筒だ。十リットルは入るヤツだ。
「これは魔法によって中身を拡張させたもので、満杯にすれば五日くらいは水に困ることはないかと。まあ、運べるくらいの水瓶と同じ容量ですね。これが五個はあります」
他にも包丁やナイフ、バールも何本か持って来たので、それらも収納の鞄から出した。
「……み、見事なものですね……」
コールカンさんの目に止まったのは鎌だった。麦畑が広がっていたので鎌も入れておいたのだ。
「切れ味は保証しますよ」
「わかります。首の後ろが冷たくなるほどです」
どんな表現だ? 別に武器じゃないんだが。
「レイさんが住むところは魔法が発展しているのですか?」
「そうだね。結構発展していると思う。ボクは金属関係の魔法以外はそんなに詳しくはないんだよね。こちらにはないの?」
そういや、魔道具類をなかなか見ないな。使っている人も。
「あるとは思いますが、滅多に見ることはありませんね。必要とされてませんので。王都に行けばあるとは思います」
まあ、ないのならないでなんとかなるしな。魔物が徘徊している地でもないし。
「ボクたちのところは魔物が多いから冒険者なんかは攻撃魔法を覚えるし、街では生活を楽にするために魔道具が作られているよ。巨石兵もあと三十年くらいしたら造れると思う」
ボクとしては二年以内には造りたいかな? 操り人形的な構造にすれば二年以内で造れるはずだ。
「これもいただけるのですか?」
「ええ。麦を売っていただけるのなら」
金銀支払いより現物払いのほうがボクとしては助かる。掛かっているのは労力だけだからな。経済も破壊しなくて助かるし。
「もちろんです。こちらとしても買っていただけるのはありがたい限りですからな」
お互い、了承を得たことで、商売成立とした。




