第221話 ポイント制
二人が目覚めた。
グージーの手術(?)は日帰り手術よりお手軽のようで、一時間後には元気に目覚めた。
「気分はどう?」
「すっきりした感じだ」
「うん。なにか軽くなった気分だ」
あの装置からなにか抑制する電波とか出てたんか?
「それはよかった。お腹空いているなら食事にするが?」
二人ともうんと頷いたので食堂に向かった。
「ここはいつでも開いているから好きなときに食べていいから」
自動調理機や作り置きなんかもある。人も増えたから二十四時間体制にしたのだ。好きなだけ食いんしゃい。
「ここのは美味いし、たくさん食べられる」
欲張りセットにしたお二人さん。食べられる量にしなさいよ。
「ルクセルではどんなもの食べてたんだ?」
「美味くもないドロドロした液体だよ」
ルクセルもルクセルで食を楽しむって概念は滅んだようだ。嫌な宇宙戦国時代だ。
「ここにいるなら食事の心配はないし、美味しいものが食べられるよ。他にも休日──休憩時間を長く取るようにしてもらっている。最初、グージー側も長い長い休憩に戸惑ってはいたが、今は喜んで休んでいるよ」
「休憩、か。そんなもの寝るときにしか与えられなかったな」
「……眠っているときが幸せだった……」
ブラック企業も真っ青な軍隊だ。ボク、ファンタジーワールドに生まれて本当によかったよ。
「よし。次は、君たちの服と部屋を与えよう」
今着ているのはボクの替えの服だ。さすがに女物(と言えるかは謎だが)を着させるのは可哀想だろう。
一応、グージーとルクセルの宿舎はわけてある。お互い、異性とはみてないので間違いが起こることはないが、何百年も刻まれた概念が氷解するわけもない。とりあえず、お互いの存在に慣れるまで宿舎は離してあるのだ。
ルクセル側の宿舎は某レオなパレス風にした。前世では四年くらいお世話になった。壁が薄いとかはあったが、ここのは防音はしっかりしているのでプライベートは守られるはずだ。
ドアも電子ロックになっている。マスターキーはボクのスマホに入れてもらっているので、まずは部屋の説明をしてから二人に電子ナンバーを与えた。忘れたらボクのところに来てちょうだいな。
「一応、ルクセルの平均的体型に合わせた服はここに入っているから。ここにいるときはこれを着てよ。洗濯は各自で行うこと。替えが欲しくなったら売店に発注してもらって」
「バイテン?」
「ちょっとしたものを売っている補給室みたいなもんだよ。ここでは働いたらポイントってものがもらえて欲しいものが買えるようにしてある。スマホ出して」
二人に与えられたスマホにも電子ポイントが振り込まれているはずだ。ほら、四千ポイントが入っている。
「次からはそのポイントを使って自分の着る服を買ったり、軽食を買ったりして。食堂はポイント関係なく好きに食べて構わないから」
どちらもお金って概念がないからポイントで買うようにしたのだ。概念がわかれば外での売買も理解出来るだろうからだ。




