第220話 大した技術ではない
「……わかった。協力する……」
「オッケー。商談成立だ」
ルクセルに商売があるかはわからんが、ニュアンスでわかるはずだ。翻訳機、いい仕事してくれよ。
二人が綺麗になったらボクの替えの服を着させて今日は休ませた。
「ジージー。アルレシアはなんて言っている?」
「ハールを山の家に送るそうよ。明日の朝にはシャレインを寄越すってさ」
「そっか。じゃあ、一旦山の家に戻ろうっか」
あっちに行ったりこっちに行ったりと忙しいものだ。まったく、なかなか思いどおりにはいかないものだよ。
あれをやろうと思えば別なことが発生する。ままならすぎて計画を立てるのも嫌になってくるぜ。ハァー。
なんて嘆いても仕方がないので、収納の鞄に入るだけのものを買い、二人を連れて町を出た。
前に降り立った山頂へと向かい、輸送用シャレインで山の家へとひとっ飛び。ハールはもう来ていたので、そのまま治療室へ直行した。
長い時間が掛かるかと思いきや、十分もしないで爆弾を取り出してしまった。早くね?!
「そう難しいものじゃなかったしね」
グージーの技術力が凄いのか、それともハールの技術力が凄いのか、医療はよくわからんわ……。
「爆弾はそれほどのものではなかったわ。爆発したら首が吹き飛ぶくらいの威力しかないわ。目立った技術もなかったしね」
「超能力に反応するとか言ってたが、グージーに超能力反応とか観測出来るのかい?」
「グージーにも昔は、超能力者がいたそうよ。ただ、費用対効果が悪いと廃れたみたい。どこかの研究所で密かに研究をしているって話はあるみたいだけど、わたしのところまで伝わって来ないわ」
まあ、戦闘位は高くても重要機密を知れるほど高くはない、ってことなんだろうよ。
「じゃあ、超能力の情報は不要か」
「いえ、不要ではないわ。ルクセルが超能力者を連れているならまだ有効だと示している。今、超能力者が関わっていないか調査しているところよ」
「調査って、わかるものなの?」
もう時間は過ぎているし、痕跡は残ってないのでは?
「戦闘データは全艦に共有されているわ。不自然な爆発があればわかるはずよ。時間は掛かるでしょうがね」
そんなことまでわかるものなんだ。あ、だからあのとき暴走させて爆発させようとしたわけか! 情報を消すために。なかなか強かなことしてくれんじゃないのさ……。
「これを二人に渡して」
携帯端末を渡された。
「それでデータを取るから、超能力をいろいろ使わせて」
「……つまり、観測出来る技術はあるわけだ……」
この用意のよさ、ボクに秘密にしていること、たくさんありそうだ。
まあ、それも仕方がない。ボクは部外者なんだからな。
「わかった。いろいろやってもらうよ」
ボクもボクでグージーを全面的に信用しているわけじゃない。お互い様、ってことだ。




