第219話 パニシャーライジ
二人の体には機械的な改造された跡はなかった。
男としてのシンボルも切られたわけでもなく、なにか余分なものを付けられたわけでもなかった。普通の男の子だった。
「二人は、艦隊にいたときはなにをやっていたんだい?」
「敵艦への侵入と破壊工作だ」
「マニュアーに搭乗して?」
「いや、おれたちはパニシャーライジだった」
「パニシャーライジ? グージー側にはないね。ルクセル独特のものなの?」
「そうだな。グージーの旗艦にはそれこそ独特のシールドが張られている。それを突破出来る兵器がルクセルにはなかった。そこで開発されたのがおれた超能力者だ」
詳しい歴史はわからないらしいが、かなり昔からある部隊のようで、同じ戦艦には三十人はいたらしい。 全体的には一万人はいたんじゃないかってことだ。とんでもねーな。ボク、よくそんなヤツらにちょっかい掛けたものだ。
「生身でやらされるとはとんでもないね。ほぼ、自爆特攻じゃない」
マニュアー乗りもそうだが、使い捨てすぎんだろう。どんなエクスペンダブルズだよ。
「ほぼ、ではなく、自爆特攻がおれらの役目だ」
「反抗出来ないなにかがあるわけだ」
「首の後ろに爆弾が仕掛けられているんだよ。今は命令する者がいないから生きていられるだけだ」
エクスペンダブルズじゃなくてデスゲームだった!
「取り除くことは?」
「無理だ。超能力妨害装置が組み込まれている」
「ちょっと見せて」
トウジの首を見せてもらった。
指でなぞり、指で叩いてみると、確かに金属物が埋められている感触があった。
「命令ってのは信号で送られてくるわけ?」
「だと思う。逆らったヤツが感電したように震えたあと、首が弾け飛んだからな」
ほんと、ルクセルはエゲつないな。そりゃ、何百年と争うわけだわ。
「グージーの技術でそれを取り出せるかわからないが、もし、取り出せるなら超能力者の情報を取らせてくんない? 命を奪うことも苦しいこともさせない。ボクが近くにいて見張るから」
グージー側としても超能力者の情報は欲しいはず。全面的に協力してくれるはずだ。
「それが終わったあとは?」
「自由に生きるといい。欲しいのは情報だからね。望むならこの星で生きられるよう手伝うよ。超能力があるならいい暮らしが出来るだろうからね」
戦艦に突入しようというのだ、マニュアーくらいの力は発揮出来るはずだ。なら、ベテラン並みには稼げるだろうよ。
「嫌なら断ってくれても構わないよ。その場合は、どんな超能力が使えるかだけ教えてくれたら構わないさ。まあ、その場合は爆弾を埋めたままになるがな」
それがギブ&テイクってものだ。




