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ファンタジーワールドにSFが落ちて来た!  作者: タカハシあん
第11章

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第212話 獣人種

「竜とかは襲って来ますか?」


「ああ。縄張り争いに負けたヤツが何匹か来た。魔石は取り出したからあとで渡すよ」


 天十握剣あめのとつかのつるぎを見せてもらい、これと言った傷みはないが、軽く研いでおく。


「天十握剣と同じとは言わんが、仲間に持たせたい。五本くらい用意できないだろうか? 労働力で返させてもらうから」


「構いませんよ。そのつもりで十本は持って来ましたから。この地を制圧してください。この世界、思ったより大航海時代に突入するかもしれない時代だったから、数十年以内に人間がやって来るかもしれないんでね」


「大航海時代か。嫌な時代だな」


 ボクは歴史には疎い。疎いが、大航海時代が富を生み、種を殺した時代ってことくらいは知っている。時代の波は大きく、時間は止められないことも知っている。


 滅ぼされるくらいなら滅ぼしてしまえ、とまでは言わないが、猿人が残った世界線があっても構わないだろう。それこそファンタジーなワールドらしいってものだ。


「まあ、ボクは宇宙開拓時代にしようと思ってますがね」


 さすがに宇宙な世紀にするつもりはない。資源を枯れさせたり、資源戦争とかは起こさせない。ボクが死んだあとは知らんけどね。止められるわけでもないんだしな。


「宇宙ね〜。昭和生まれのおれには空想の世界だわ」


「ボクだって昭和生まれでしたよ。今は十七歳の感性が強いので、甘い考えをしがちですがね」


 たぶん、前世での歳はそれほど変わらないはずだ。乃木坂さんのほうがやや歳上っぽいみたいだが。


「おれも若いはずなんだがな。前世の年齢に引っ張られているよ」


「いいじゃないですか。甘い考えしていたらこんなところじゃ生き抜けないんですから。ボクなら死んでましたよ。虫、嫌いだし」


 ここではパイロットスーツを脱ぐ気にはなれない。だってデカいんだもん、虫。まだGくらいのサイズなら鉄の棒で潰せる。けど、子犬くらいのダンゴムシとか触ったら気絶する自信しかないよ。


「アハハ。女の子だな」


「女の子なんですよ」


 まったく、こんな時代なら男に生まれたかった。女は生き難いよ。


「剣は、猿人──今さらですが、なんか種族名とかあったりするので?」


「ないな。不便か?」


「猿人が侮蔑になってなければ」


「うーん。そうだな。人間からしたら猿人にしか見えんが、こちら側から見ると猿と思われるのは侮蔑になるかもしれんな〜」


 人間の記憶があるだけに複雑よな。人間でも猿とか言われたら気分悪いだろうし。


「じゃあ、獣人とかどうです? この世界、人間がほとんどで、エルフとかドワーフとか言った亜人はいませんし。猿人よりマシだと思いますよ」


 獣人も侮蔑にならなくはないが、ファンタジーなワールドだし、獣人なら通るんじゃないか? 


「へー。いないんだ。それはちょっと残念だ。エルフとか見てみたかった」


 ボクも最初はそう思っていました。いないと知ってからすっぱりと諦めたよ。

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