第211話 縄文時代
バレンタスシア大陸が見えて来た。
二十日も過ぎてないからなにが変わったってこともないはずなんだが、なんか禍々しい空気がなくなっているように思える。
ボクたちが来たことで空気が一変したかな? まあ、人類が滅びなければバレンタスシア大陸にも人はやって来て自然破壊に勤しんだことだろう。早いか遅いかの違いだ。
自然に逆襲されるのもまたよし。宇宙に出たって戦争するような生き物なんだからな。滅びるまで精一杯生きるまでだ。
訓練場もまた変わっている。発展が止まることを知らない。格納庫がまた一つ増えているよ。
「ジージーたちはしばらく上空を旋回して」
「どうして?」
「ここはボクらの縄張りだと知らしめるためさ。ファンタジーの自然は弱者に容赦しないからな」
「そういうものなの?」
「自然とはそういうものなんだよ。ボクは、乃木坂さんのところに行って来るから」
と言ってもシャレインならすぐ。訓練場との距離なんて誤差みたいなものだ。
「おー。こっちも発展してきたな〜」
石器時代から縄文時代に入ったかのようだ。縄文時代、よく知らないが。
ボクが来たことを知らせるために村の上空を旋回。開けた場所にシャレインを降ろした。うん。腕は鈍ってはいないようだ。
シャレインから降りると、天十握剣を背負う乃木坂さんが迎えてくれた。
「かなり文明が進んでますね」
「道具があるからな。竜や獣が襲って来ても難なく追い払えるよ」
「天十握剣が役に立っているようでなによりです。体に合わないときは別の剣を打ちますから遠慮なく言ってください」
「いや、天十握剣で充分だ。もうこれなしでは心もとないよ」
猿人なのだが、天十握剣がよく似合っているんだよな。この人もマニュアーくらいなら斬っちゃいそうだ。
「頼まれていたもの持って来ました。時間が掛かってすみません」
「いやいや、世話になっているんだ、いくらでも待つさ」
収納の鞄に入れたものを出し、シャレインに詰んだ大きいものは乃木坂さんの仲間に出してもらった。
「セメントも造れるんだな」
乃木坂さんに頼まれていたものはセメントだ。この大陸の生き物は強力すぎて木を組んだくらいでは防げない。なので、セメントで防壁やら建物を造るそうだ。一応、鉄筋も積んで来ました。
「アサルトライフの弾も三百発は持って来ましたから。あと、乃木坂さんたちの手に合うショットガンも造ってますんで、完成したら持ってこさせますんで」
乃木坂さんのようにアサルトライフを使うのは難しいだろうからショットガンにしたのだ。弾のサイズからして象くらいは余裕だろうよ。象以上のものが生息する大陸だがな!
「助かる。おれが生きている間には中世まで発展させたいものだ」
ふふ。後世の歴史家が悶絶するだろうよ。こいつら、宇宙人か? とか思われそうだ。




