第210話 バレンタスシアヘ
朝になったらバレンタスシアへと向かった。
さすがにデクスでの飛行は懲りたので、久しぶりにシャレインに乗ることにした。
戦闘でもないのならボクでも操縦出来る。たぶん。
「えーと。これがあれでこれはあれ。それは……あれだ」
「……なんだか不安になる確認の仕方ね……」
「大丈夫。覚えてはいるから」
人の頭はチップを入れなくたって働いてくれる。まあ、AIのエリオに補佐してもらうんだけどね!
ヘルメットの具合を調整したら滑走路を走らせて空へと舞った。
「わたしが先導するから。レイは後方に付いて」
「オッケー」
ちなみに左翼はリキ。右翼はハルアが付いて、ダイヤモンド編隊をしております。宇宙にもダイヤモンド編隊ってあるんだから不思議だよな。
ハルーシやローサはアクアで先に行ってもらった。シャレインより遅いからだ。
シャレインは大気圏内でもマッハ3くらいは出せる。リミッターを解除したらマッハ5は出せるらしい。まあ、必要ないんで、マッハ1くらいで飛んでいるよ。お土産は無事故でいいよおとうさん、だ。
訓練も兼ねているので大気圏内飛行で向かっている。
「ルクセル側のレーダーに捕捉されたわ」
ジージーから通信が入った。
「わかるんだ。てか、捉えられちゃうんだ」
シャレインにステルス性ないんか?
「よほどの高性能機でもなければレーダーに捉えられるのよ」
技術はイタチゴッコ。何周もしていて、今はレーダーとか気にしない回なのかな?
「接触はあるの?」
「ないわ。様子見をしているんじゃないかしら? こちらの反応がわからないから」
「つまり、考えられる者があちらにもいるってことか」
行動から相手を推し量れたりするものだ。ルクセル側にも理性的で冷静さを持った者がいる。それはこちらにしてもありがたいことだ。
「ルクセル側のレーダーって、性能よさそう?」
「落ちた戦艦は、第六次期に建造されたものだからレーダーは優秀なほうだとおもうわ。腕のいい情報兵がいたら人工衛星の電波を拾っているかもしれないわ」
ハッカーみたいなものか?
「グージー側にはいるの?」
「どうだろう? 索敵班にはいたんじゃないかしら?」
索敵班? あールービーか。冷徹で賢そうな顔をしていたっけ。※第77話
まあ、索敵班がいたら好きなように動けなかったからいなくなってありがたい限りだ。ルービーを騙しながらなんて動けなかっただろうからな。
「なら、この星の地図情報をオープンにしておいてもらうように艦長代理に伝えておいてよ。ボクのスマホナンバーと信号も一緒にね」
「そんなことしてどうするの?」
「仕込みだよ、仕込み」
相手がどう出るかの、な。




