第202話 勧誘
ってことになるのは難しいだろうな~。
そんなことが出来るのなら何百年と戦ってはいない。裏で動いたとしても、表に出なければ意味はない。ましてや末端の兵士が政治的判断とか無理だろう。
ましてやルクセル側の規律は弱いように見える。脱走しているヤツがいるんだからな。
「ジージーは一旦、バレンタスシアに荷物を届けて、シャレインで戻って来てよ。ローサ、アクアは来てたっけ?」
「ええ。最初に降りた場所にいるわ」
「じゃあ、食料とか届けてよ。あとを付けてくる者には注意して」
「オッケー」
ジージーとローサにはすぐに動いてもらい、ボクとハラーシは、次の日やって来たライルさんに案内されて借りられた工房へと向かった。チャフは別の人が樽に入れて運んで行ったよ。
町の東側に向かっているようで、煙が上がっているのが見えた。
「ここでも町に鍛冶工房があるんだね」
「海の向こうでは違うこともあるので?」
「基本、町の中にあるよ。そう大規模な工房は必要としないし、人が多いところなら薪を運ぶ商売をする者も多いからね。でも、大量に剣や鉄製品を打とうとしたら炭と水が必要になって、煙や音の被害が出る。町の外になるか専用の村が作られるかだ。あ、木は伐りすぎると大地が死ぬから注意したほうがいいよ。それで滅びた町や村はたくさんあるからね」
魔法があるんだから魔法を使えよって思うかもだろうが、そう大規模生産をすることがないから発明されることはないし、あっても広まったりしないんだよな。
「こっちは魔法が遅れているように思う。その分、船の技術はボクらのところより発展している。必要にならないと技術が発展しないのはどこも同じだ」
そんな時代でSFが落ちて来てくれたのはありがたい。基礎力が数百年進められるんだからな。
「海の向こうに行ってみたいものですな~」
「望むなら連れてってあげるよ。ライルさんは、まだまだ若いみたいだしさ」
この星での協力者は多いほうがいい。ライルさんみたいな優秀な人が味方となってくれたら頼もしいからな。
「おや、本気にしてしまいますよ」
冗談っぽく言っているが、気配には真剣さが感じ取れた。
「いいよ、本気になっても。優秀な人は大歓迎。なんなら仲間を誘っても構わないよ」
「レイ様は、口がお上手なんですね」
「んー。どうだろう? でも、もしかしたらそうなのかも」
ジージーとも仲良くなれたし、宇宙人とも協力出来ている。自分が思っている以上に口が、コミュニケーション能力が高いかもしんないな。ふふ。




