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ファンタジーワールドにSFが落ちて来た!  作者: タカハシあん
第10章

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201/231

第201話 優秀な人

 あ、名前を訊くの忘れた。


「──マルカ様の部下でライルと申します」


 と、間髪入れず二十半ばの男性が現れた。びっくりしたぁ~っ!?


「バ、バリジング族の人?」


 なんだか身なりがいい。町でもかなり上位っぽそうだ。


「いえ、役場の者です。先ほどの方はマルカ様。町長の秘書をしているお方です」


 役場? 町長の秘書? バリジング族とは関係ないんか?


「え、えーと、なにさんだっけ?」


「ライルです」


「あ、ああ、ライルさんね。びっくりして聞き逃しちゃったよ」

 

 あの人と話している間、あなたいなかったよね? 視界にもいなかったはず。なんか透明になる特殊能力でも持っているのか?

 

「いえいえ、お気になさらず。これよりわたしが窓口とならしていただきます」


「余所者にも丁寧なんだね」


 丁寧っていうか腰の低い人だ。この世界ではなかなか見ないタイプだぞ。


「これでも人を見る目はいいと自負しております。あなた様──」


「──レイだよ。レイと呼んでくれて構わない」


「では、レイ様とお呼びさせていただきます」


 この人、前世でもいたな~。腰は低いが卑屈ってわけじゃない。笑っていても目が笑ってないのだ。


「……かなり優秀な人のようだ……」


「いやはや、そう言っていただけるとは光栄の限りです。レイ様も若いのに優秀なようで」


 ボクも笑顔を見せているが、目は笑ってないんだろうな。


「また明日、来させていただきます。鍋の代金はこちらで払っておきますので、進めていただいて構いません。明日には工房を用意させていただきます。準備を進めておいてください。では」


 一礼してライルさんが去って行った。


「……なんか、一番のバケモノを見た気分だ……」


 なにより怖いのは人間ってわかる場面だったよ。


「まあ、やることはやるか」


 おばちゃんたちが戻って来ることはなかったので、鍋を丸めてチャフへと変えた。


「ごめんよ。直してあげられないで」


 鍋としてまっとうさせられないことに謝った。


 夕方には鍋をチャフに変えられ、これをどうしたものかと悩んでいたらジージーとハラーシが帰って来た。お帰り~。


「レイ。ルクセルがまたどこかを占拠したみたいよ」


「うん。それに協力を求められたよ。チャフと盾、鏃を打つことになった。明日にも移動するかもしれない」


「またマニュアーを奪うの?」


「いや、もうグージー製のがあるからいらないよ。ただ、情報は欲しいかも。あちらは表立って動いてない。本当なら宇宙に出て現在位置を探ったり、仲間と合流するために動くものだ。それが動いてないとなると、ルクセルは崩壊寸前なんじゃないかな?」


 グージー側にはボクがいる。仲間と合流する手立てがある。しかし、ルクセル側には現地人の協力者も、仲間と合流する手立てもない。上の者としては八方塞がり状態。統制するのは難しいだろうよ。


「この星の者としては自暴自棄になられるのは困る。だからと言って戦争をされても困る。理想は、停戦協定が結ばれることだ」

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