第200話 バリジング族
「それで、どんな依頼かな?」
「巨石兵を斬れる剣を打って欲しい」
やっぱりかい。ルクセル側の教育はどうなってんね! ってまあ、ジャビアー(下級人)を使い捨てにするヤツらだ、こんな状況で纏めれるなんて出来もしないだろうよ……。
宇宙技術無双、とならないところが哀れだよな。いや、それに巻き込まれる地元民のほうが哀れだが、ファンタジーな世界では別の災いがあったりするからなんとも言えないんだがな……。
「剣王様は、斬れたのかい? 巨石兵を?」
「ああ、一体だけだが」
へー。あの剣でね~。バケモノはどこにでもいるものだ。
「で、剣が折れたわけだ」
「わかるのか?」
「打ったのはボクだし、ボクがいたところにも巨石兵、こちらでは巨石獣と呼ばれるものがいた。最高の一本で巨石獣を四体も斬ったよ。もちろん、刃こぼれ起こさずにね」
あれ? 四機だっけ? 二機だったっけ? どうでもいいからうろ覚えだわ。
「では、同じものを──」
「──打てるわけないだろう。斬れるだけの鉄がないのだから。でも、対策はある」
「どんなだ?」
「この町に雷の魔法を使える者はいる?」
「……捜せばいると思う……」
「高位の使い手じゃないと無理だよ。巨石兵の目を潰すには。巨石兵を倒すためにいくら使える?」
「い、いくらとは?」
「敵は剣王でも手こずる相手なんだろう? そんな相手を倒そうってんだ、金を掛けなければならんでしょう。ここにある鍋を買い取れるなら巨石兵の目を潰せるものを作ってやるよ」
ジャビアーに与えられるマニュアーの性能は低スペックだ。電磁波防御なんて紙みたいなもの。センサー類も弱い。本当に生きて戻ることを考えていない。欠陥品と呼んでもいいくらいのものだ。
だが、そんな性能だから対抗出来る手段があるってものなのだ。
「わかった。こちらで買い取ろう」
「弩を造れる職人はいる? 巨石兵の目を潰せたなら弩でも辛うじてて効果はある。少なくとも巨石兵の動きは止められる。倒れたのなら関節部を集中的に狙う。それで動かせれなくなるよ。あ、光を撃ってきたりしてる?」
「ああ。盾がまったく役に立たなかったそうだ」
「それなら盾を打つよ。一回だけなら防げる効果を付けられるから」
盾ならここにある鍋や釜で足りるだろうよ。
「いつまでに出来る?」
「うーん。目を潰す鉄の薄板なら今日中には。盾と鏃まで求めるなら鉄が足りない。一日で打てるのは盾が十。弩の鏃はさすがに一日二つか三つってところだね」
「わかった。明日までに用意しよう」
「工房を貸してくれるなら半日くらい短縮は出来るかもよ」
「わかった──」
ぶっきらぼうな性格だが、かなり優秀な男なようだ。




