ex02:ラフレシア活用法
「そういえば、ラフレシアを使って試したいことって、なんだったんですか?」
結局私のラフレシアはあまり背も伸びず、普通の花が咲いただけだった。
強いて言うならちょっと色味が鮮やかで大きめかな、くらいの。
それでも十分綺麗なので、楽しくお花見した。
隣のシルス様のラフレシアはというと、また茎が太くなって蕾がつきかけていた。
魔力を入れる時に危険があるかもという理由で、直接見ていないから、前と同じようにしているかはわからない。
「ああ、そういえば言っていなかった。私の触手と同じ効果が出せないかと考えたんだ」
忘れていたらしく、あっさり教えてくれた。
シルス様の下半身から生えている触手は、いくつか特徴があり、そのひとつが麻酔のような効果の分泌液。
便利な効果だけど、抽出量は少なくて、量産ができない。
献血も一度やったら、短くても二週間だったわよね。
魔法を使えば長期保存は可能らしく、なんとか増やせないかと考えていたらしい。
ラフレシア自体はこの世界でもそこそこ有名な花だ。
今まで試さなかったのかしらと思ったが、魔力による変化は見た目のことがメインで、効能は手つかずだったようだ。
たしかに、私が見たラフレシアのレポートも、魔力による変化は外見ばかり書いてあった。
ただ、実際運ばれてきて、試しに魔力を注いだところ、もしかしたら、と感じたらしい。
そのあたりは、私より能力のあるシルス様だから気づけたのだろう。
前回まではすぐ茎の中にもどってしまったが、これをどうにか長時間にするか、咲いている間に採取できないかやってみるという。
うまくいけば害の少ない麻酔がたくさん備蓄できる。
「前みたいに私を捕まえようとすれば、分泌されるから採取できません?」
「誰かを危険に晒す手段は却下だ」
……ですよね。
私としてはたすけてもらえるなら、ちょっとくらいあの中に埋もれてもいいどころかご褒美なんだけど……
とは言えずに黙っていると、足の触手が一本、しゅるりとやってきた。
同時にシルス様が密着してきて、耳もとに魅惑の声でひとこと。
「捕まりたいなら、今夜でもいつでも、いくらでも」
……その夜どうなったかは、黙秘権を行使します。




