!?
( ):サブタイに関してはもう触れないでください。爆散して憤死します。
(裏):????
⭐︎⭐︎⭐︎ 【絶命刀】 オール・フォルタム
「さぁて……とりあえずお城の前まで来たけど。どうすれば良いのかなぁ?こんなに堂々とあるんだから絶対重要な建物だよね?なんか知らないメリーくん?」
所々点滅しているネオンライト(もどき)を目印に、ホテルから見えた道筋を辿って歩くことしばし。
私たちの前には巨大な建造物。どう考えても和風のお城なのに何故かこの街並みに溶け込んでいるようにも見える城。どう考えても重要なキーになるだろうここは、けれどどうやって入れば良いのか皆目見当もつかない。
「お城なんだしそりゃまぁ防壁とかあるだろうけど……門すらないってどういうこと?」
このお城を見て、最初に探そうと思ったのは入り口。最悪開けられなくても良いから、どこか入れそうな場所を見つけようと思ったのだが……。
「城の周りは全周真っ白な防壁。しかもホテルから見た限り壁の奥には堀もあるときた。これ王様かなんかが住むにしても不便すぎでしょ」
そう、このお城やけに生活感がない。いやね?王城かなんかは知らないけど普通は偉い人が住むための場所じゃん、お城って?権威を示すために豪華さを優先するのもわかるけど、だとしても流石にこの徹底ぶりはないかなぁって思うんだけど。
……仕方ない。こうなれば最終手段を取るしかないようだな。この手だけは使いたくなかったが、この私を本気にさせてしまったようだな…………!!!
「メリーくん様大明神ヒントくださいそこそこ何でもしますからぁああああああ!!」
ジャパニーズ奥義。土下座。自ら土ペロをしに行くという相手にドン引きをさせる行動と共に、誠意を見せることで温情を乞うこの完璧な行為を持って私の最終手段は完遂するのだァッ!
『………………………???』
悲報。最終手段、そもそも理解されなかった。
⬜︎
「もーーー!!なんなんこの城?!頭おかしい!!設計者出てこいやァア!!」
オールは激怒した。かの邪智暴虐なる設計者を除かなければならないと決意した。
オールには城の構造がわからぬ。オールはただ他人を殺してレベル上げに励む善良な死霊である。
魔物を殺して、アパホ⚪︎ルを作って遊んできた。けれども邪悪に関しては人一倍敏感であった。
「うがーーー!ぜっっっったいいつか見返してやるっっ!!」
怒りで頭が変な方向に思考し出した。だが逃避もここまでだ。認めよう、今の私はこの城に辿り着くことはできない。もう何十分も探してるけど何の手掛かりも見つけられないんだ。何かしら見落としていると考えたほうがいいでしょう。
「力技で越えようにも……無理なのは証明されちゃったからなぁ……」
それは私が城内へ入るために試行錯誤をしていた時だった。何かしら力技でいけたりしないかなと思って、とりあえずその辺にあった石を投げてみたのだけれど……結果がやばかった。
石はしっかりと城壁を越えてその向こうに飛んでった。けど、そのあとが問題だった。
ちゅどーーん。
そんな音が正しい感じの擬音で、城の天守閣からビームが飛び出したのだ。なんかこう、和風なのにSF的な超火力ビームが。流石にあれに続いて私も壁を越えてみよう!とはならなかったのだ。本当なんなのこの都市?色々と常識はずれだよ全く。
閑話休題。
「はぁ……いつまでも悩んでても仕方ない。早めの行動をしないといけないんだから。よし、メリーくん、行く、よ……?」
そういうわけでとりあえず都市の外にもう一度何かあるかなと探索に行こうとした私。しかし、私のワンピースの裾を噛んでメリーくんが止めにかかる。どしたん、アパ⚪︎テルに行きたいんか?
『……Q』
歩き出そうとした私に首を振って裾を離したメリーくん。都市の外に行かない方がいいってこと?
『……待ッテ』
「あら珍しい。でももうやることないよ?あんだけ探してなかったんだから、ここはもう別の場所探しに行くべきだよ」
うん?私の提案を頑なに否定するメリーくん。どうしたんだろう。なんだか喉に小骨が突っかかったみたいな顔してるけど、何か忘れ物?
……メリーくんは白虎の記憶の器ではあるけど、白虎ではない。それはメリー君自身がそう言ってるし、そもそもその器にはまだ記憶は満たし切られていない。だからこの城に関しての記憶はないはずなんだけど……。ちょっと待ってみようか。
そうしてうんうん唸るメリーくんと、それを近くのベンチで座りながら眺める私の図が十分程度続けられることになった。意味がないとまでは言わないけど、需要絶対ないってこの時間……。
『……M!』
「お?なんか思い出した?というかそもそもなんか忘れてたの?何も聞いてないけど」
無視ですかそうですか。え、なに?イベントシーン?あれ?これ空気読めてないの私の方?
そんな私の思考をよそに、メリーくんは何を思ったか、ゆっくりと城の方へ向き直る。そしてその後ろ姿をベンチに座りながら私が凝視する。お巡りさんこいつです。
「ふんふん。いつもの発光現象がさらに出力を上げて?その光を収縮させて?うんうん、なんかそれビームみたーー」
次の瞬間、爆音と共に光が視界を埋め尽くした。
「目がーーっ!?目がーーーーーっ!?!」
急な閃光にどこかの大佐の如く悶絶する私。目は見えないけどなんか城壁が爆発したというよりは、ビームが反射されて鳴る感じの音というか、ちゅどーんじゃなくて、キィイイイインっていうか。
『条件を満たしました。技能『閃光耐性』獲得しました。』
「うぅ……目眩すごい」
何とか視力が回復して、のたうち回っていた状態から何とか上体を起こすことに成功する。ようやく見えるようになった私の目がとらえたのは……。
「……超文明も程々にしなよって」
城壁をさらに囲むように展開された青白い結界と、その上部に浮かび上がった逆三角形。どことなく近未来感を思わせる色のそれは、けれどもっと目を引くべきものによってそこまで目立たない。
「えぇ……これ四天王とかそういうやつ?」
結界の四方から伸びた光が、いつの間にか現れていた四方の隅に聳える塔にそれぞれ伸びていた。明らかにここを攻略してからきてくださいねと言わんばかりだ。
「しかもご丁寧に鍵っぽいマークまであるし……いや、うん。行先が示されたのは良いことだよね。良いことなんだけどね……」
これは確かに都合のいいことだ。けど、ちょっと都合が良すぎやしないかな?
「メリーくん。ホントに君何も覚えてないの?記憶を取り戻してったから喋れるようになったり多少の攻撃ができるようになったのはまぁいいとするけど、今回のはそれに関する記憶もなかったはずじゃないの?」
『……M?』
可愛らしく首を傾げれば許されると思うなよ。いや悪いことしてないし何なら崇めたいところだけど、不可解なことを解消すべく必要なことなのだ。
『……記憶、ナイ。デモ、コウスルベキ、思ッタ』
「あー……なるほど。本能パターンね。じゃあこっちで探るしかない、か……」
確かに矛盾してないし、これならなんでさっきまでメリーくんが唸りまくってたのも理由づけできなくもない、かなぁ。確かに覚えてないけどこう動かないといけないって強迫観念に駆られるのは怖いっていうか、なんでだ?って思うしねー。
「仕方ない。今はこの都市に関する記憶には踏み込めないか。ごめんねメリーくん、助けてもらったのに疑問で返しちゃって。後でマッサージしてあげるから許してね」
マッサージ(意訳:モフる)。お礼をすると言いつつ私の益になるようなことしか提案しないことに気づいているのか、メリーくんがビー玉のような瞳でこっちをみてくる。くっ!や、やめてくれ!!罪悪感がっ!罪悪感がっっ!!
「さ、さぁとりあえず出発しようか!こっから近くに一つはあるみたいだしね!とりあえず偵察に行こう!はっはっは!!」
『……』
気まずぅい!?
◆
「へーー……もっとホログラムっぽいかと思ってたけど、しっかりした金属製なんだねぇ。あ、でもこれが鉄とは限らないのか。ファンタジーだとミスリル?みたいなのがあるからね」
少し歩いて一つ目の塔に到着した私とメリーくん。過去のことは全て水っていうか川に流したので上機嫌な私と、最近諦めが見えてきたメリーくん。ついに見捨てられました。
「あぁよかった。こっちは扉あったよ。流石に私版メロス激怒の2回目はないからねーー」
後ろから視線が突き刺さっている。勘弁してください、後で土下座祭り開催するので今は待って。
「うーん。これ明らかにエレベーターの扉みたいな感じだなぁ。でもボタンもないし……やっぱりカードキーみたいな探さないといけ……お?」
私が、いや違うな。メリーくんが一定距離に近づいたのが条件かな?扉の前にホログラムみたいな画面が現れた。
「なになに……?入場条件、記憶の欠片十個?あれ?私たち今何個だっ、け。あっ……」
私がメリーくんにも聞かせるために書かれてあることを読むと、徐にメリーくんが歩き出す。そのまま私の横を通り過ぎて扉の前に立って……おぉ、肉球ぺたり。
「本当にエレベーターじゃん……」
すると、チン!という音が鳴って、扉が開いた。ホテルのエレベーターだよこれもう……。しかも内装も綺麗だし!
「これそのまま進んじゃって大丈夫かなぁ……?忘れ物、はそもそも忘れるものがない。うん、必要なのは覚悟だけだね。エレベーター乗りながら戦闘態勢に移っておけば大丈夫かな。……おっけ。いこうか」
何となく緊張してる(ように見えるだけの)メリーくんがこっちにくるよう急かす。わかってますよ、頑張るので怒らないでね。
『……別ニ、怒ッテナイ』
「え?まじ?」
それはよかった、と調子に乗りたいところだけど。
「……そっか。後願の憂いを絶ってくれてありがとう。戦闘に専念させてもらうよ」
こちらの不安を読んでそれに対処してくれるとは、記憶が戻ってくとメリー君自身も高性能になってくんだね。喋り出したし。
微かな振動音と共に動いていたエレベーター。その動きが止まる。
「メリーくんは戦闘に参加しなくていい。できればシャーメルにやったみたいに妨害はして欲しいけど、とにかく生存第一で」
刀は良し。銃は正眼に構えて。
エレベーターの扉が開いた。
⬜︎⬜︎⬜︎ ⭐︎
それは、とある神と、四体のお供が旅をして、そして為した物語。「光の旅物語」。
彼らが通り、破壊しつつも再生の種を蒔いた場所の一つは、夢幻の都。ありえない夢物語を現に呼び寄せる神が支配していた近未来都市。
霧が映し出す幻の都市に訪れた彼らの物語。その一ページを抜粋しよう。
⬜︎
『オーー!?みてミてこれ!!バズーカ?バズーカだぁ!!』
『いや、入って早々そこに目を付けるのはどうなんですか……?ていうか、何で大通りの露天にバズーカが売ってあるんですか……???』
『細ケェことは気にすルな!』
『細かくないんですよ……大事なんですよ』
「わぁ!?みてみて!あの串焼きおいしそー!」
『トオリ、ただでさえ君は普段から燃えてるんだ、一人で行動しては迷惑がかかるだろう。待機していなさい。あぁ、翼をバサバサするな。火の粉が飛び散る』
「あのー……塔は、なんですかねー……?」
『ン?ホントだ!何だアレ?!スッゴい!!行きタい!!』
『主人……ムメが言ったことに気を取られないでください。この子亀だからかマイペースなんですよ……というか普通主人が制止する側なのでは……?』
『ヤナギ。それは気づいてはならん』
微かな霧が都市全体を覆う街。近未来的で、しかし煌々と放つ光がその霧による視界の妨害を寄せ付けない。そんな少し特殊な雰囲気を放つ都市に、人数が少ないのに、妙に騒がしい5人組が来ていた。
一人は普通の人っぽい姿をしているが、なぜか常時発光しているしその金髪からは角が生えている。
一人は青い鱗を持った蛇、というか龍。サイズこそ普通の蛇並だが、中身は見た目相応ではないだろう。
一人は真っ白な体毛を持つ猫、というか虎。サイズこそ普通の猫並だが、中身は見た目相応ではないだろう。
一人は赤い炎に身を包んだ鳥。焼き鳥と言ったほうがいいかもしれない。四人の周りを飛び回りながら、何故か同族であるはずの焼き鳥の串に涎を垂らして凝視している。
一人は黒い亀、と尻尾みたいにくっついた小さな蛇。どうやら蛇が発声を担っているようだ。亀は少し浮遊しながらみんなの後ろを歩いて、というか浮いている。虎に座られていた。
『ホントにすごイんだなァ、この街。といウか……アレ?なンでこの街来タんだっけ?』
『嘘でしょ主人。人化すると記憶も変わるので……?はぁ。この街は主人と同格の神が支配しているんですよ。だから等級だけなら同等の主人が、「私の方ガ凄イもん!」って言ってきたんじゃないですか』
『アレ?ナんで「等級だけなら」ッテところヲ強調シたの?』
『主人、とりあえず色々と観光してみようじゃないか。ほら、あの塔とか良さげじゃないか?』
『そうですね……うん、格の違いがわかるから行きましょう』
「にーちゃ!あの串焼き食べていい?!美味しそう!!』
『トオリ、あれは焼き鳥です』
「くぅあぁ……Zzz」
『寝た!?寝ましたよこの亀!?嘘でしょまだ観光初めて一分ですよ!?!飽きるの早すぎでしょ!!』
『おい、ムメ。起きろ。僕が移動できないだろう』
「……ふぁあい」
『主人ィ!ムメが寝る前に移動しますよ!』
『えっ?アっ、うン』
◆
夢幻都市シン。その中央に聳える城は、常に見えない結界で許可なき者の立ち入りを禁じている。その結界を維持する要であるのがこの都市の四隅に屹立する塔であった。
『聞くところによると、この塔はそれぞれ都市の支配人直下の四人……俗に言う四天王がそれぞれ管理を任されているそうです。この塔にも常に四天王の一人が常駐しているようですよ』
『へー!じゃァ私の部下でアル皆んなト一緒だネ!』
「主人!僕らは部下っていうか子供だよ?!」
『だそうですよ主人?だから張り合うのやめましょうね?』
『グヌヌ……』
『幸いにも中に入ることは許されているようです。見てみましょうよ』
「おー……エレベーターなんだー……」
『あ、おい!勝手に入るな!あぁあ閉じる閉じる閉じる!?一人だけ先に乗るな!!まだ皆んなエレベーター乗ってないだろうっ!一人だけ先に行ってどうする!?』
「ラウドー!早くきなよ!吠える前に乗りなって!」
『吠えっ……!?』
『ほら、主人も早く』
塔の一つに到着した一行は、そのまま扉兼エレベーターである入り口に乗り込んで最上階に向かう。シンプルながらに美しい内装を見てはしゃいでいた彼らも、チンと音を立てて扉が開いたために一度視線を扉に向ける。
「わーーー!!すっごい!?ねーねー主人様っ!これすごくない!?」
『フーン。マぁ?私もこノ程度、魔術で再現でキるし??』
『張りあわないでください主人。周りから白い目で見られますよ』
そこには、ドアの向こうに広がる三次元の空間を半分以上占めて形どられている天球儀のような、複雑怪奇かつ巨大な3次元魔術陣があった。
『これが王城を守る結界の要か……凄いものだな。こんなものを四つも作って、それも維持した上で起動させ続けているのか。道具を使っていたとしても高い技術力があるのは間違いないな。それにしても……』
『えぇ。こんな堂々と魔法陣を晒しているのはどうして何でしょうか?入れるにしても、わざわざ要である場所を立ち入り可能にさせるというのは少々違和感を感じますね。余程の自信家か、あるいは……』
「んぁー?まーた難しいこと考えて!にーちゃはバカだな!」
『ば、か……!??』
『アーあ。ヤナギがフリーズしちゃッたよ』
『ふむ。塔の大きさ的に、まだ奥がありそうだが……流石にこちらは立ち入り禁止か。当然だな。もしかすると、こちらは模写で、本物は奥の方にあるのかもな』
「……なんで、夜?」
『ん?壁面のことか?確かにさっきまで真っ白の飾り気ない壁が多かったが……ふむ。確かに、ここだけ客のために装飾を加えるというのもおかしな話だな。それをするなら他の場所にも手を加えろということになってしまうわけだし』
『エー?君たチったらァ〜。やッパまだまだだな!仕方なイからコの私が教エ、ってちょっとどコ行くノさ!』
「………眠い」
『ほら、兄も見れただろう?早く帰るぞ。主人は調子に乗らせてはいけないからな』
『ちょッと!仮ニも親ナンだけど!?』
「主人様遅いよー?太った?」
『ン、ナっ………!?』
『あー……これは3日コースだな』
少しばかりの疑問は残しつつも、純粋に観光客として壁面やら魔術陣やらの完成度に息を呑み、感嘆していた一行は暫しの間巨大とはいえ一つの部屋をじっくりと見て周り、そろそろご飯の時間になるかというところで帰宅に付くこととした。
『シクシクシク……』
「主人様って嘘泣きして楽しーのー?」
『…………/(^o^)\』
『それってどういう感情なんですか……』
彼らがそうしてエレベーターから降りて、帰路について、部屋に戻って、盗聴されてないかを確認して、誰かに万が一聞かれることもないように妨害の魔術をかけて。
『サて、それじゃァあの最悪ナ装置を擁すルこの国を、終わらセようか』
そこにはもう、歓談していた彼らの姿はない。魔術陣が何を意味するか、この国の実態がどういうものか。この一日だけでも充分に察した彼らは、既に当初の目的から外れた大規模なこと……即ち、国家転覆を開始しようとしていた。
( ):仮にも神というあらゆる世界でも上澄みの存在にいるんですから、シンの実態に気づかないわけないじゃないですか。神パワーはすごいんですよ。
(裏):まぁ、物語に出てくるんだから何かあるんだろうなとは思うけど……当初の目的って本当に観光だったの?
( ):そうですよ?自分たちの信念を曲げかねないものが出てきたら即対処する武闘派集団ですけど。




