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女性VTuber向け 朗読しやすい3分シチュエーションボイス台本集 〜季節イベント対応〜(無料・使用許諾不要)  作者: 常陸之介寛浩 本能寺から始める信長との天下統一
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第9話 四月の疲れ、ここで置いていって (癒やし系/夜の通話/よく通話する親しい相手)

……もしもし。

うん、出たよ。

……ふふ、こんばんは。


どうしたの?

こんな時間にかけてくるなんて、ちょっと珍しいね。


……うん。

うんうん。

そっか。

今日は、ちょっとしんどかったんだ。


……大丈夫。

そんなふうに、うまく言葉がまとまってなくても平気だよ。

話せるところからでいいし、話せないなら、しばらく黙っててもいい。

私はちゃんとここにいるから。


……うん。

そう。

じゃあ、今日は少しだけ、私の声に寄りかかってて。


ねえ。

今、部屋の電気ついてる?


……あ、ついてるんだ。

じゃあ、もしまぶしかったら、少しだけ暗くしてもいいかも。

四月の疲れって、目からも来るから。

明るい教室、明るい廊下、明るい笑顔、明るくしなきゃっていう気持ち。

春って、きれいだけど、そのぶんちょっとだけ眩しすぎる日があるでしょう?


だから今は、少し暗いくらいがちょうどいいよ。

安心できるくらいに、静かで、やわらかいほうがいい。


……ふふ。

ほんとだ。

ちょっと声、落ち着いた。


今、ベッド?

それとも椅子に座ってる?


……ベッドなんだ。

じゃあ、ちゃんと楽な姿勢になって。

枕、近くにある?

あるなら抱えてもいいし、布団、少しだけ上まで引っ張ってもいいよ。

肌に触れる布の感じって、思ってるより安心するから。


……うん。

そう、そのまま。


ねえ。

今日は、どんなふうに疲れたの?


……人が多くて。

ずっと気を遣ってて。

なんかちゃんと笑ってなきゃって思って。

でも帰ってきたら、急に何もしたくなくなって。


……そっか。

えらかったね。

本当に。


新しい季節って、体より先に心がくたびれるんだよね。

ちゃんとしなきゃ。

変に見られたくない。

置いていかれたくない。

浮きたくない。

そういう小さい緊張が、ずっと薄く肌に張りついてる感じ。


春の服って軽いのに、心だけ少し重くなる日、あるよね。


……うん。

わかるよ。


頑張ってる最中って、意外と平気だったりするんだよね。

むしろ、帰って、靴を脱いで、髪をほどいて、部屋の匂いに戻ってきた瞬間に、

ああ、疲れてたんだなって、急にわかる。


……あ。

今、髪ほどいた?


ふふ。

ちょっとだけ、音でわかった。

そういう小さい気配、夜の通話だと不思議と伝わるんだよね。

服がこすれる音とか、布団が少し揺れる音とか。

そういうのが聞こえると、ああ、ちゃんとここで休もうとしてくれてるんだなって思えて、少し安心する。


……ん?

変かな。


でも、好きなんだ。

そういう、言葉じゃない音。

ちゃんと無理をやめていく音みたいで。


ねえ。

少しだけ、深呼吸しよっか。

一緒に。


吸って。

……そう。

ゆっくり吐いて。


もう一回。

吸って。

吐いて。


上手。

えらい。


今の呼吸、ちゃんとやわらかかった。

さっきより少し、肩の力抜けたんじゃない?


……よかった。


私ね、四月の夜ってちょっと特別だと思ってるの。

昼間はみんな、新しい場所で新しい顔をしてるでしょう?

でも夜になると、そのぶんだけ、ほんとの疲れとか、ほんとの寂しさとか、そういうのが静かに戻ってくる。

だから夜は、少し甘えていい時間なんだと思う。


頑張らなくていいし。

ちゃんとしてなくていいし。

ちょっと弱い声でも、少し拗ねたみたいな気持ちでも、そういうの全部、夜なら許される気がするの。


……うん。

今のあなたも、それでいい。


ねえ。

目、閉じてる?


……閉じたんだ。

じゃあ、そのままでいいよ。

無理に返事しなくてもいい。

聞いてるだけでも大丈夫。


今日ね、本当はすごく頑張ったんだよ。

朝起きて。

着替えて。

外に出て。

たくさん気を遣って。

ちゃんと笑って。

ちゃんと人の中にいて。

それだけで、もう十分。


誰かと比べなくていいし、

もっとできたかも、って反省会しなくてもいい。

四月はまず、「今日を終えた」だけでえらいの。


……ふふ。

今、少しだけ呼吸がゆっくりになった。

いい感じ。


もし、まだ心がざわざわしてるならね。

今日は、そのざわざわ、ここに置いていって。


全部なくならなくてもいいよ。

でも、少しだけでいいから。

私に預けるみたいにして、今夜だけ手放して。


大丈夫。

明日また必要なら、そのとき取りに行けばいいし。

必要なかったら、そのまま忘れてもいい。


……うん。

そう。

今日は、抱えたまま寝なくていい。


あ。

布団、ちゃんとかけてる?


……よかった。

春の夜って油断すると少し冷えるから。

首元、出しっぱなしにしないでね。

そのへん冷えると、安心する前に寒さで目が覚めちゃうから。


……ふふ。

なんか、お世話してるみたい?


そうかも。

でも、こういうの嫌いじゃないよ。

ちゃんと休んでほしい相手には、つい細かく言いたくなるの。


だって、今のあなた、たぶん「大丈夫」って言いながら無理するタイプだもん。

言葉は平気そうでも、声の端っことか、息の抜け方とか、そういうところでわかる。


……うん。

今日は、ちょっと甘やかされて。


よしよし、ってされるの、必要な日ってあるでしょう?

子どもっぽいとか、そういうのじゃなくて。

ただ、人として、疲れた夜にやさしく扱われる時間が必要なだけ。


だから今夜は、そういう夜。


……おつかれさま。

ほんとに、よく頑張ったね。


大丈夫。

焦らなくていい。

春は急に満開になるわけじゃないから。

少しずつ、少しずつでいいの。

今日うまくできなかったことがあっても、明日全部取り返さなくていい。

また少しずつ慣れていけばいい。


ねえ。

今、少し眠くなってきた?


……ふふ。

よかった。


そのまま、ゆっくりでいいよ。

声、もう少しだけ近くに置いておくから。


今日の疲れは、ここに置いていっていい。

無理して持ったまま眠らなくていい。

ちゃんと布団に沈んで、ちゃんと休んで、朝になったら少しだけ軽くなってれば、それで十分。


……うん。

えらい。


じゃあ、最後にもう一回だけ。

深呼吸。


吸って。

吐いて。


……上手。


おやすみ。

今夜はちゃんと眠れますように。

四月の疲れ、ここで置いていって。

明日のあなたが、少しだけやさしい朝を迎えられるように。


……おやすみ。

また、しんどい夜は、私の声のところまでおいで。

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