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女性VTuber向け 朗読しやすい3分シチュエーションボイス台本集 〜季節イベント対応〜(無料・使用許諾不要)  作者: 常陸之介寛浩 本能寺から始める信長との天下統一
8月に合わせた台本集

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47/61

8月本編 第4話 夏バテした日は、私に甘やかされてなさい (お姉さん系/夏バテの夜/少し年上の親しい女性)

朗読使用者への簡単な設定説明


この台本は、女性VTuberが「落ち着いていて面倒見のよい、少し年上のお姉さん」として読むシチュエーションボイスです。


舞台は八月の夜。相手は暑さと疲れで食欲も気力も落ちていますが、「大丈夫」と言い張って休もうとしません。彼女は冷たい果物や飲み物を用意し、少し強引に世話を焼きます。


ただ優しいだけではなく、心配しているからこそ小言が出る、人間らしい面倒さを大切にしてください。前半は軽く呆れながら、中盤では弱った相手を静かに包み込み、最後は「元気になったら返してもらう」という少し大人っぽい甘さで締めます。


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……やっぱり。


そうだと思った。


声を聞いた瞬間に、なんとなくわかったよ。

今日は元気なふりをするのが、いつもより下手。


……大丈夫?


その答えは信用しない。


だってあなた、体調が悪いときほど「大丈夫」って早く言うでしょう。

こっちに考える時間を与えないように、先回りして終わらせようとする。


でも残念。


今日は、それでは逃がしません。


……今、何してたの?


仕事?


それとも、まだ何か片づけようとしてた?


……やっぱり。


もうやめなさい。


続きは明日。


……明日も忙しい?


うん。

知ってる。


でも今日ここで無理をしたら、明日はもっと動けなくなるでしょう。


一時間頑張って、明日一日だめになるくらいなら。

今日は一時間早く休んで、明日少しだけ動けたほうがいい。


それくらい、あなたにもわかるよね。


……わかってるけど、やめられない?


そういうところが面倒なの。


頭ではわかってる。

でも、自分だけは例外だと思ってる。


水分を取れって言われても、あとで。

休めって言われても、これが終わったら。

眠れって言われても、もう少しだけ。


そうして、限界まで自分を使う。


……ねえ。


自分のこと、便利な道具みたいに扱わないの。


壊れたら困るでしょう。


私が。


……あ。


今のは、あなたが困るより先に、私が困るって意味。


だって、心配するのは私なんだから。


……何か食べた?


……その間。


なに、その間。


食べてない人の沈黙だったね、今の。


正直に言いなさい。


……お昼に少し?


夜は?


……いらなかった?


食欲がなかったの間違いでしょう。


もう。


夏バテした人って、どうしてみんな同じ言い方するのかな。


「食べたくない」じゃなくて「いらない」。

「しんどい」じゃなくて「少し疲れた」。

「休みたい」じゃなくて「もうちょっとやれる」。


言葉だけ小さくしても、体のしんどさは小さくならないのに。


……冷蔵庫、見てきて。


電話を置かなくていいから。

持ったままでいいよ。


ちゃんと立てる?


……ゆっくり。


急に立つと、ふらっとするかもしれないから。


……大丈夫?


今の大丈夫は、さっきより信用できる。


でも、壁には手をついて。


……そう。


冷蔵庫、開けて。


なにがある?


……麦茶。


ゼリー。


それから?


……果物?


なに。


……桃?


いいじゃない。


食べられそう?


……剥くのが面倒?


ふふ。


そこまで正直なら、今日は合格。


でもね。


さっき私が置いていった容器、奥に入ってない?


透明の、小さいやつ。


……あった?


開けてみて。


……そう。


切ってあるでしょう。


桃。


少しだけ冷やしておいたの。


たぶん、今日あたり食欲が落ちてるんじゃないかと思って。


……なんでわかったって?


八月のあなたは、毎年だいたい同じだから。


暑い日が続くと食欲が落ちる。

でも、自分では大したことないと思って放っておく。

そのうち顔色が悪くなって、ようやく「少し疲れたかも」って言う。


もう何回見たと思ってるの。


……だから、先に用意した。


食べられなかったら無理にとは言わない。


でも、一切れだけ食べてみて。


小さいのでいいから。


……フォークも入ってるでしょう?


……あった?


よし。


じゃあ、座って。


立ったまま食べない。


テーブルでも、ベッドの端でもいいけど。

ちゃんと腰を下ろして。


……そう。


じゃあ、一口。


……どう?


冷たい?


甘い?


……おいしい?


よかった。


その声なら、もう一切れくらいいけそう。


……無理に食べさせるな?


無理にはしてないよ。


あなたが食べられそうな顔をしたから勧めてるだけ。


本当に嫌ならやめていい。


でも、たぶん今のあなたは。

食べたくないんじゃなくて、食べるまでが面倒なんだと思う。


冷蔵庫を開ける。

何を食べるか考える。

切る。

お皿に出す。


その手順全部が重たい。


だから、そこを私が減らしてあげたの。


……ずるい?


なにが?


食べられる状態にしておいたら、断りにくい?


うん。


少しだけ、そうかも。


だって、あなたは放っておくと何もしないから。


たまには、逃げ道を少なくする人が必要なの。


……嫌だった?


……嫌じゃない?


ならいい。


はい。


もう一切れ。


……ふふ。


今度は自分から食べた。


えらいね。


……子ども扱いするなって?


今日はする。


夏バテしてる日は、少し子ども扱いされるくらいでちょうどいいの。


自分で何でもできる顔をして。

本当は、飲み物を取りに行くのも面倒で。

食べるものを選ぶのもしんどくて。

でも誰かに頼るのは負けたみたいで嫌。


そんな顔してる人には、こっちが勝手に世話を焼く。


……迷惑?


……じゃないなら、素直に甘やかされてなさい。


今日くらい。


……ねえ。


冷房、ついてる?


……ついてるけど寒くない?


冷えすぎると、それはそれで体が疲れるよ。


設定温度、見て。


……低い。


少し上げて。


暑いからって一気に冷やすと、あとでだるくなるでしょう。


それから、直接風が当たらないようにして。


……面倒?


うん。


知ってる。


体調管理って、元気なときでも面倒なのに。

しんどいときはもっと面倒。


だから今日は、私の言うとおりにするだけでいい。


考えなくていいから。


温度を上げる。

水分を飲む。

少し食べる。

シャワーは無理なら短く。

それから寝る。


ね。


簡単でしょう。


……シャワーまで指示するのかって?


するよ。


あなた、汗かいたまま寝ると気持ち悪くて眠れないって言うくせに。

しんどいと面倒になって、そのまま寝ようとするから。


本当に無理なら、顔と首だけ拭けばいい。


冷たいタオルある?


……ない?


洗面所に行けそう?


……少し休んでから?


うん。


それでいい。


今すぐ全部やらなくていいよ。


桃、あと一切れ食べて。

麦茶を少し飲んで。

それから五分休んで。


……ねえ。


今、少し楽になった?


……ほんの少し?


うん。


そのくらいで十分。


体調って、ドラマみたいに急に元気になるものじゃないから。


一口食べた。

少し水を飲んだ。

横になった。


そういう小さいことを重ねて、気づいたら少し戻ってる。


だから、今すぐ元気になろうとしなくていい。


……あなたは、元気になることまで急ぎすぎるね。


体調悪いって認めた瞬間から、早く治さなきゃって焦る。


でも、焦ったところで体は急に動かない。


むしろ、治るために使う力まで焦りで消耗する。


……今日は、ゆっくりでいいよ。


八月の暑さに負けた日が一日くらいあっても、あなたの価値は減らない。


何も進まなかった日があっても。

予定どおりにできなかった日があっても。

誰かに甘やかされる夜があっても。


別にいいの。


……本当に。


ねえ。


少し目を閉じてみて。


電話は切らなくていいから。


桃の容器、ちゃんと閉じた?


残りは明日でもいいよ。


……うん。


麦茶、手の届くところに置いて。


こぼさないようにね。


……できた?


じゃあ、横になって。


枕、高すぎない?


……そのくらいなら大丈夫かな。


布団は、薄いものだけでいいよ。


冷房が効いてくると、あとから少し寒くなるかもしれないから。

お腹だけは冷やさないように。


……よし。


ちゃんとできたね。


……ふふ。


今日は本当に素直。


いつもなら、もっと「大丈夫」「いらない」「まだ寝ない」って抵抗するのに。


……抵抗する元気もない?


それは少し心配だな。


でも、今は休む方向に素直なら、そのままでいい。


……ねえ。


そんなに申し訳なさそうな声、出さないで。


桃まで用意させたとか。

電話につき合わせてるとか。


そういうこと、気にしてるでしょう。


……当たり?


あなた、わかりやすいから。


でもね。


私が嫌なら、ここまでしない。


自分でやりたくてやってるの。


心配だから。

放っておけないから。

あなたが少し楽になった声を聞くと、私も安心するから。


つまり、半分は私のため。


だから、借りだと思わなくていいよ。


……でも。


どうしても借りだと思うなら。


元気になったら返してもらう。


……なにを?


そうね。


まず、私が疲れてる日に飲み物を持ってきてもらう。


それから、暑くない日に少し散歩に付き合ってもらう。


あと。


私が寂しい夜に、今日みたいに電話を切らずにいてもらう。


……多い?


だって利子つきだもの。


私、桃を切って、冷やして、容器に入れて置いていったんだよ。


それくらい取ってもいいでしょう。


……ふふ。


冗談。


全部じゃなくていい。


でも、一つくらいは返してね。


元気になったあなたと、何かしたい。


今日は弱ってる顔しか見られなかったから。


次は、ちゃんと笑ってるところ見せて。


……うん。


約束。


だから今日は、治すことだけ考えて。


というか、もう考えなくていい。


私が順番を決めたから。


あとは寝るだけ。


……まだシャワーがある?


そうだった。


でも、今すぐ立たなくていいよ。


少し休んで、動けそうなら。


無理なら今日は体を拭くだけ。


完璧にしようとしない。


できるほうを選ぶ。


……ねえ。


外、まだ蝉の声する?


……少し?


こっちも。


夜なのに、遠くでまだ鳴いてる。


昼間の熱が、町に残ってるみたいだね。


八月の夜って、暗くなってもすぐには涼しくならない。


建物も道路も、ずっと昼の暑さを抱えてて。

人の体も同じなのかもしれない。


昼間に頑張ったぶん、夜になってから疲れが出る。


……だから今、しんどいんだよ。


怠けたからじゃない。


弱いからでもない。


一日ぶんの暑さと疲れが、今になって体から出てきただけ。


それを、ちゃんと休ませてあげよう。


……うん。


目、閉じてていいよ。


返事も、だんだん短くしていい。


私が勝手に話してるから。


……今日ね。


桃を切りながら、少し考えてた。


もしあなたが「余計なことしなくていい」って言ったら、どうしようかなって。


たぶん、私は少し怒ったと思う。


心配して用意したのに、って。


でも、それを言ったらあなたも気を遣うでしょう。


だから、怒らないようにしようって思ってた。


……実際は、ちゃんと食べてくれたから。


今、かなり機嫌がいい。


……ふふ。


人の機嫌なんて、案外単純だね。


心配した相手が、一口食べて。

少し声がやわらかくなった。


それだけで、安心する。


……あなたも、誰かに世話を焼かれたとき。


悪いな、じゃなくて。


相手を安心させてあげた、くらいに思っておけばいいよ。


甘やかされるのだって、たまには人助けになるんだから。


……また変な理屈?


いいの。


今日は私の言うことが正しい日。


だって、あなたは夏バテしてるから。


……はい。


反論禁止。


夏バテした日は、私に甘やかされてなさい。


元気なときのあなたは、自分で好きにすればいい。


頑張ってもいいし。

無理しない範囲で夜更かししてもいいし。

私の小言を適当に聞き流してもいい。


でも、弱ってる日はだめ。


そういう日は、一人で全部決めようとしない。


私を頼る。


……約束できる?


……うん。


よろしい。


じゃあ、今日はもう合格。


桃も食べた。

麦茶も飲んだ。

横になった。

私に大丈夫じゃないって、ちゃんとばれた。


十分。


……ふふ。


最後のは、できたことに入らない?


入るよ。


平気なふりを見破らせてくれたんだから。


……おやすみ。


まだ完全に眠らなくてもいい。


目を閉じて、体の力を抜くだけでいいから。


電話は、もう少しつないでおく。


あなたの返事がなくなったら、眠ったんだと思って静かに切るね。


……大丈夫。


今日は、何も返さなくていい。


元気になったら、利子つきで返してもらうから。


飲み物と。

散歩と。

寂しい夜の電話。


……それから、笑った顔。


忘れないでね。


おやすみ。


今夜くらいは、ちゃんと甘やかされていなさい。


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