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女性VTuber向け 朗読しやすい3分シチュエーションボイス台本集 〜季節イベント対応〜(無料・使用許諾不要)  作者: 常陸之介寛浩 本能寺から始める信長との天下統一
8月に合わせた台本集

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44/61

8月本編 第1話 夏休みなのに、ちゃんと起きられたんですね (清純派/夏休みの朝/同級生)

朗読使用者への簡単な設定説明


この台本は、女性VTuberが「穏やかで少し奥手な清純派の同級生」として読むシチュエーションボイスです。


舞台は八月の早朝。ラジオ体操や図書館へ向かう途中、夏休み中は会えないと思っていた相手と偶然出会います。彼女は早起きできた相手をからかいながらも、久しぶりに顔を見られたことを素直に喜びます。


朝露の匂い、まだ強くない日差し、遠くから聞こえる蝉の声など、昼間とは違う静かな夏を意識してください。前半は軽く驚きながら、中盤から「会えなくて寂しかった」という気持ちを少しずつにじませます。


------------------------------------------------------------------------------------------------------


……あれ?


……やっぱり。


おはようございます。


こんなところで会うなんて、珍しいですね。


……いえ。


あなたに会ったことが珍しいという意味ではなくて、こんな時間にあなたが外を歩いていることのほうです。


ふふ。


夏休みなのに、ちゃんと起きられたんですね。


……あ。


今、少し失礼だと思いました?


でも、仕方ないでしょう。


終業式の日に、あなた自身が言っていたんですよ。


「夏休みは目覚まし時計という文明から解放される」って。


ずいぶん壮大なことを言うから、てっきり毎日お昼近くまで眠るつもりなのかと思っていました。


……違うんですか?


今日は偶然?


なるほど。


まだ体が学校の時間を覚えていて、いつもの時間に目が覚めてしまった、と。


それなら、今日だけかもしれませんね。


あと数日もしたら、朝と昼の境目が曖昧になっていそうです。


……ふふ。

冗談です。


半分くらいは。


でも、本当に意外でした。


私、この道を歩いているとき、知っている人に会うとは思っていなかったので。


学校がある日は、同じ制服の人がたくさん歩いているのに。

夏休みになると、急に町が広くなる気がしますよね。


いつもなら誰かがいる交差点にも、人がいない。

自転車置き場も静かで。

道の端には朝露が残っていて。


同じ町なのに、少しだけ知らない場所みたいです。


……だから、あなたを見つけたとき。


最初は、よく似た人かと思いました。


こんな朝早くに本人がいるはずがないって。


……そこまで言われると傷つく?


ごめんなさい。


でも、ちゃんと起きられたことは褒めていますよ。


本当に。


えらいです。


……その顔は、子ども扱いするなって思っている顔ですね。


では、言い直します。


夏休み中にもかかわらず、早朝から身支度を整え、外出している姿勢は大変立派だと思います。


……余計に変?


そうですか。


普通に褒めるのって、難しいですね。


……私は、ですか?


私は図書館へ行くところです。


夏休みの間、午前中だけ自習室が使えるので。


昼になると暑いでしょう?

だから、朝のうちに少し勉強して、暑くなる前に帰ろうかなと思って。


……宿題です。


全部ではありませんけど。


できるものから少しずつ終わらせておこうと思って。


あなたは?


……散歩?


本当に?


……ああ。


家にいても暑いから、涼しいうちにコンビニまで行こうと思ったんですね。


散歩というより、買い出しでは?


……飲み物とアイス。


朝からアイスですか?


……でも、少しわかります。


八月の朝って、早い時間でも空気の奥に暑さが残っていますよね。


今はまだ風があるけれど、日が高くなったら、道も建物も全部熱くなってしまいそうで。


ほら。


もう蝉が鳴き始めています。


朝なのに、あの子たちは元気ですね。


……うるさい?


たしかに、近くで鳴かれると少し大きいです。


でも、夏休みに入ったばかりの蝉の声は、私は嫌いではありません。


これから夏が始まるんだなって思えるので。


八月になった時点で、もうかなり夏ですけど。


それでも、朝の蝉は「今日は何をするの?」って聞いてくるみたいで。


……何もしない日もありますけどね。


私だって、毎日きちんと過ごしているわけではありません。


昨日は、お昼を食べたあと少しだけ横になるつもりが、気づいたら夕方でした。


……意外ですか?


私も昼寝くらいします。


それに、夏休みなんですから。


少しくらい、時間を無駄にしてもいいと思います。


……ただ。


起きたとき、部屋が夕方の色になっていると、少し寂しくなりますね。


何もしていないのに、一日が終わりかけているようで。


子どものころは、夏休みって永遠に続くように感じていたのに。

今は一日が短くて、八月もきっと、気づいたら終わってしまうんだろうなって。


……朝から、少し暗い話をしてしまいました。


ごめんなさい。


でも、あなたに会えたので。


今日は昨日より、ちゃんと始まった気がします。


……え?


どういう意味か、ですか?


そのままの意味です。


知っている人と会って。

おはようって言って。

少し話した。


それだけで、今日という日にちゃんと入口ができたような気がするんです。


夏休みは自由ですけど、自由すぎると、一日がどこから始まったのかわからなくなることがあるでしょう?


学校がある日は、起きて、着替えて、家を出て。

教室で誰かに会って、そこから一日が動き始める。


でも、夏休みはそういう区切りがないから。


朝起きて、何となくスマートフォンを見て。

冷房の効いた部屋で過ごしているうちに、いつの間にか昼になってしまう。


……だから。


今朝あなたに会えて、少し嬉しかったんです。


……少し、です。


とても、ではなくて。


……その笑い方、信じていませんね。


では、もう少し正直に言います。


かなり嬉しかったです。


学校が休みになってから、会っていなかったでしょう?


まだ数日しか経っていないのに、教室で毎日顔を合わせていた人が急にいなくなると、思っていたより変な感じがして。


……いなくなったわけではないですよね。


わかっています。


ただ、会わなくなっただけ。


でも、その「会わないだけ」が、少し寂しかったんです。


連絡をするほどの用事はなくて。

かといって、何もないのに話しかける勇気もなくて。


今何をしているのかな、と考えて。


でも、お昼まで眠っているかもしれないし、友達と出かけているかもしれないし。

邪魔をしたら嫌だなと思ったら、結局何も送れませんでした。


……あなたからも、来ませんでしたし。


あ。


責めているわけではありません。


本当に。


私だって送っていないので、お互いさまです。


ただ、少しくらい送ってくれてもよかったのに、と考えなかったわけではありません。


……面倒ですね、私。


連絡したいのに自分からはできなくて。

でも、相手から来なければ少し寂しい。


こうして口にすると、ずいぶん都合がいいです。


……でも。


人の気持ちって、たぶんそういうものですよね。


いつも理屈に合うわけではなくて。

自分でも面倒だと思いながら、それでも期待してしまう。


……あなたは、少しも寂しくありませんでしたか?


……少しは?


本当に?


……そうですか。


それなら、よかった。


いえ。


よかったと言うのも変ですけど。


私だけではなかったんだと思ったら、安心しました。


……夏休み中も、時々会えたらいいですね。


毎日とは言いません。


毎日だと、夏休みなのに学校と変わらなくなってしまいますし。


でも、今日みたいに朝の道で会ったり。

図書館でたまたま同じ机を使ったり。

暑い日にコンビニでアイスを買ったり。


そういう、小さな予定が何度かあったら嬉しいです。


……偶然に頼りすぎ?


そうですね。


こんな広い町ではありませんけど、何度も偶然会うのは難しいかもしれません。


では。


次は、約束にしますか?


……あ。


そんなに驚かないでください。


今のは、別に特別な意味では。


……なくはないですけど。


でも、大げさなものではありません。


たとえば、来週の同じ曜日。


また朝のうちに図書館へ行こうと思っているので。

あなたも起きられたら、一緒に行きませんか?


図書館で宿題をして。

帰りにコンビニへ寄って。

アイスでも買う。


……どうでしょう。


……起きられたら?


そこは、ちゃんと起きてください。


せっかく私が勇気を出して誘っているのに、目覚まし時計に負けられたら、少し腹が立ちます。


……少しでは済まないかも。


たぶん、その日は一日中、機嫌が悪くなります。


でも、理由は言いません。


あなたが自分で気づくまで。


……ふふ。


それは面倒だと思いました?


思ったでしょう。


顔に出ています。


でも、仕方ありません。


私だって、待ち合わせを楽しみにしていたのに来てもらえなかったら、普通に傷つきますから。


清純派だからって、いつも穏やかに笑っているとは限らないんですよ。


……なに、その顔。


少し意外でしたか?


私にも、怒るときくらいあります。


拗ねるときも。


寂しくなるときも。


会いたいのに会いたいと言えなくて、勝手に少し落ち込むことだってあります。


……今日会えなかったら、たぶんまた何も送れなかったと思います。


そして夜になってから、今日も話せなかったな、と考えて。


明日こそ何か送ろうと思いながら眠って。

次の日になったら、また理由を探して送れなくなる。


……そういうことを、何日も続けたかもしれません。


だから。


今朝、偶然会えてよかったです。


偶然のおかげで、次の約束までできました。


……ちゃんと来てくださいね。


来週。


同じ時間に、この道で。


私、少し早めに来ていると思います。


……待つのが嫌だからではありません。


あなたより遅れて、待たせるほうが嫌なので。


でも、あまり遅いと帰ります。


……帰らないかもしれませんけど。


たぶん、少し怒りながら待っています。


……そんなことを先に言ったら、待たせてみたくなる?


だめです。


絶対だめ。


そういう実験をする人は嫌いです。


……本当に。


待っている人の時間って、待たせる側が思うより長いんですから。


五分でも。


十分でも。


特に、会えるのを楽しみにしている相手を待つ時間は。


……あ。


今のは、少し言いすぎました。


でも、もういいです。


今日は朝から、わりと正直に話してしまったので。


一つくらい増えても同じでしょう。


……コンビニ、もうすぐですね。


あなたは何を買うんですか?


……麦茶と、アイス。


さっき聞きました。


アイスは何味ですか?


……まだ決めていない?


では、私も一緒に選んでもいいですか?


図書館へ行く前にアイスを食べるのは、少し行儀が悪い気もしますけど。


でも、もう暑くなってきましたし。


今日くらいはいいですよね。


……半分ずつ違う味にする?


それ、いいですね。


あ。


でも、分けるなら、先に言っておきます。


私、少し大きいほうを選ぶかもしれません。


……冗談です。


たぶん。


ふふ。


朝から誰かとアイスを選ぶなんて、夏休みらしいですね。


学校のある日なら、遅刻しないかばかり考えて、こんなふうに寄り道はできませんから。


……夏休みなのに、ちゃんと起きられてよかったですね。


あなたも。


私も。


今日、ちゃんと起きて外に出たから。

こうして会えました。


……ねえ。


夏休みの間、あと何回会えるでしょうね。


数えるほどしか会えないのは、少し嫌です。


でも、数えきれないほど会おうとすると、たぶん恥ずかしくなるので。


ほどほどに。


でも、忘れないくらいには。


……そうしましょう。


では、まず今日の一回目。


八月の朝。

蝉が鳴いていて。

まだ道が少し涼しくて。

あなたが珍しく早起きをして。


私が、とても嬉しかった日。


……「とても」って言ってしまいました。


さっきは「かなり」までにしておいたのに。


まあ、いいです。


夏休みなので。


普段より少しだけ素直になっても、先生に注意されることはありませんから。


……ほら。


コンビニに入りましょう。


早くしないと、外がもっと暑くなってしまいます。


それから、一緒に図書館へ行って。


少し宿題をして。


帰る前に、来週の待ち合わせをもう一度確認しましょう。


……逃げないでくださいね。


夏休みにちゃんと起きられたあなたなら、きっと来週も大丈夫です。


たぶん。


……少し心配ですけど。


それでも、待っています。


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