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女性VTuber向け 朗読しやすい3分シチュエーションボイス台本集 〜季節イベント対応〜(無料・使用許諾不要)  作者: 常陸之介寛浩 本能寺から始める信長との天下統一
4月に合わせた台本集

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第2話 四月の朝は、あと五分だけ (妹系/新学期の朝/家族同然に距離が近い女の子)

――ねえ。

ねえってば。

……もう、朝だよ。


んー……まだ反応ない。

すごいなあ、新学期初日なのに、こんなに気持ちよさそうに寝てるなんて。

普通、もっとこう……緊張して早起きしちゃうとか、あるんじゃないの?


……あ、もしかして。

昨日の夜、楽しみすぎて寝るの遅かった?

それとも、不安でなかなか眠れなかったとか?


どっちにしても、もう起きないとだめ。

ほら、カーテン開けるよー。


……わ、すご。

今日はほんとに春って感じ。

光がやわらかくて、風も気持ちよさそうで。

こんな日に新学期が始まるの、なんかいいね。


……って、のんびりしてる場合じゃないよ!

起きて!

ほんとに遅れるから!


……ん?

あと五分?


だーめ。

その“あと五分”が一番危ないんだから。

絶対五分じゃ終わらないもん。

わたし、知ってるよ。

前もそう言って、気づいたら二十分経ってて、ばたばたで家出たじゃん。


……え?

今日は大丈夫?

どこからその自信出てくるの……。


もういい。

こうなったら、最終手段。


せーの――起きろー!


あはは、びっくりした?

布団、ちょっとだけめくっちゃった。

さすがにこれなら起きるでしょ。


……わ。

やっと顔見せた。

おはよう。


ふふ。

寝起きの顔、なんかちょっと子どもっぽい。

いつもよりぼんやりしてて、ちょっとかわいいかも。


あ、今、ちょっとむっとしたでしょ。

わかりやすいなあ。

でもほんとだもん。


ほら、起きたなら座って。

まだ半分寝てる顔してる。

ちゃんと目、開いて。

……よし、えらい。


ねえ。

今日から新しいクラスだね。


……なんか、不思議。

ついこの前まで、春休みでだらだらしてたのに。

一日中のんびりして、お昼近くまで寝てても誰にも怒られなくて。

それが急に、はい新学期です、ちゃんとしてください、って言われても……心の準備って、そんなすぐできないよね。


わたしもね、ちょっとだけ緊張してる。

ほんのちょっとだけ。

……いや、うそ。

ほんとはもうちょっと緊張してる。


だって、新しい教室って、ちょっとこわいじゃん。

仲いい子と同じクラスかな、とか。

先生どんな人かな、とか。

うまくやっていけるかな、とか。

考え始めると、きりがないし。


でも、まあ。

そういうのって、みんな同じだよね。

きっとみんな、平気そうな顔しながら、ちょっとずつ不安なんだと思う。


だからさ。

最初から完璧じゃなくていいよね。


ちゃんと話せるかなとか、うまくやれるかなとか、失敗したらどうしようとか。

そういうの考えちゃうの、ぜんぶ普通だと思う。

春って、始まりの季節だけど、同時に“慣れてない”季節でもあるし。


……あ、今ちょっとだけ、目が覚めた顔になった。

こういう話してると、起きるんだ。


じゃあ続けるね。

今日はね、たぶん頑張りすぎないくらいがちょうどいい。

元気に挨拶できたらそれで十分。

教室までちゃんと行けたら十分。

一日終わって、あー疲れたーって帰ってこられたら、それで百点。


だから、朝からそんなに難しい顔しなくていいの。

……って、まだしてる。

もう。


はい、制服。

ちゃんとハンガーから取ってあるから。

靴下もそこ。

ネクタイ、また変なふうに結ばないでよ?

去年も何回も見たんだから、今日は自分でできるって言って結局できなくて、最後わたしが直したし。


……え、今日もお願い?

しょうがないなあ。

じゃあ、こっち向いて。


じっとして。

動くと結びにくい。


……よし。

できた。


近い?

ふふ、今さら。

こういうの、もう慣れてるでしょ。


でも、なんか……新学期の朝にこうしてると、ちょっと変な感じだね。

いつもと同じことしてるのに、“今年も始まるんだなあ”って実感するっていうか。


……うん。

たぶん、わたし、こういうの好きなんだと思う。

朝の光とか、ちょっと眠そうな空気とか、今日からまた新しく始まる感じとか。

もちろん、面倒だなって思うこともあるけど、それでも少しだけわくわくする。


だって、これからまたいろんなことあるでしょ?

新しい出会いとか、ちょっとした事件とか、どうでもいいことで笑ったりとか。

たぶん嫌なこともあるけど、楽しいこともきっとある。


その中に、今年もちゃんとあなたがいるって思うと……。

……ううん、なんでもない。


あ、今の“なんでもない”はちょっと怪しいって顔した。

そんな顔しても教えませんー。


ほら、次は顔洗ってきて。

そのままじゃ完全に寝起きだから。

朝ごはんも用意してあるし。


えらいでしょ?

感謝していいよ。

今日は特別、新学期サービスです。


……なにその顔。

ほんとにありがたいと思ってる?

思ってないでしょ。


まあいいや。

その代わり、帰ってきたら今日どうだったかちゃんと聞かせてね。

新しいクラスのこと、先生のこと、誰と話したとか。

……別に監視したいとかじゃなくて。

普通に、気になるだけ。

普通に。


わたしのことも聞いてくれていいから。

今日、どんな顔して教室入ったとか。

ちゃんと笑えたかとか。

少しくらい失敗しなかったかとか。


……そう。

そういうの、報告し合うの、いいでしょ。

新学期の最初の日って、なんだか特別だし。


よし。

だいぶ目、覚めたみたい。


じゃあ改めて。

おはよう。

そして――新学期、いってらっしゃい。


大丈夫。

きっと、いい一日になるよ。

もしちょっとくらいうまくいかなくても、最初の日なんだから当たり前。

帰ってきたら、またここで「疲れたー」って言えばいいし。

わたし、ちゃんと聞くから。


だから、安心して行っておいで。


……あ、でも。


もしまた明日の朝、あと五分とか言ったら。

そのときは今日よりもっと強引に起こすからね?


ふふ。

覚悟しておいて。


いってらっしゃい。

今年の春も、一緒に頑張ろうね。

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