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女性VTuber向け 朗読しやすい3分シチュエーションボイス台本集 〜季節イベント対応〜(無料・使用許諾不要)  作者: 常陸之介寛浩 本能寺から始める信長との天下統一
4月に合わせた台本集

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第14話 春風がうるさいから、近くにいて (クーデレ/教室の窓辺/隣の席)

……あ。

来た。


……別に。

待ってたわけじゃない。

ただ、いつもより少し遅いなって思っただけ。


ほら、座れば。

もうすぐ休み時間終わるし。

……っていうか、その前髪。

ちょっと乱れてる。


風?


……やっぱり。

さっき、窓開けたままだったから。

今日、風強いし。

春って、あったかいくせに、変なところだけ落ち着かないよね。

急に吹いてきて、紙は飛ばすし、髪は乱すし、カーテンはうるさいし。


……うん。

嫌いじゃないけど。

でも、静かな教室にはちょっとだけ似合わない。

落ち着きそうで落ち着かない感じ、するから。


あ。

動かないで。


……そこ。

髪に、なんかついてる。

花びらかも。


……ほんと。

春だね。


……取れた。


なに。

そんな固まらなくてもいいでしょ。

別に、触ったっていうほどでもないし。

ほんの少し、指先がかすっただけ。


……そっちこそ、変な顔してる。

いつもより反応、遅いし。

寝不足?


……違うならいいけど。


でも、そういう顔されると、こっちも少し困る。

……いや。

別に本気で困ってるわけじゃない。

ただ、静かにしてたいときに、変に意識することが増えると面倒ってだけ。


ほら、外。

見て。


桜、まだ残ってる。

だいぶ散ってきたけど。

風が吹くたび、ああいうふうに少しずつ落ちてくの、嫌いじゃない。

満開より、今くらいのほうが好きかも。

終わりかけっていうより、“まだ少し残ってる”感じがして。


……わかる?


……ふうん。

ならよかった。


君って、そういうの、あんまり適当に流さないよね。

ちゃんと一回見て、考えてから返す感じ。

そこ、わりと好き。

……あ。

言い方、ちょっと違った。

話しやすい、のほうが近い。


……なに。

今の、そんなに珍しい?


別に。

君相手なら、少しくらい言うこともある。

毎回じゃないけど。


それに、隣の席って、思ってるよりいろいろ見えるし。

ノートの取り方とか。

先生の話で、どのへんで眉が動くかとか。

考え込んでるとき、ペン先が止まる癖とか。

そういうの、目に入る。


……見てるんだ、って顔しないで。

隣なんだから、視界に入るのは普通でしょ。


でも、たしかに。

見えてるものの中で、君のことは少しだけ覚えてるかもしれない。

たとえば、眠い日ほど机に手をつく時間が長いとか。

わからない問題があると、ほんの少しだけ口元が真面目になるとか。

そういう、たぶん本人は気づいてないやつ。


……うん。

別に、変な意味じゃない。


ただ、静かな教室って、そういう小さいことが目立つから。

特に、今みたいな休み時間の終わりかけとか。

みんなまだ戻りきってなくて、窓の外の音と、教室の空気が半分ずつ混ざってる時間。

そういうとき、君がいると、少しだけ落ち着く。


……あ。

今のは、聞こえなかったことにしてもいい。


……聞こえてた?


……そっか。


別に隠すつもりはないけど。

でも、改めて言うのはちょっと違うから。

そのまま受け取るなら、それでいい。


ねえ。

この席、前はどう思ってた?


……うん。

窓際って、ちょっと特別だよね。

光、入りやすいし。

外、見えるし。

風も来るし。

授業中はたまに眠くなるけど、休み時間はけっこう好き。


ただ、今日みたいに風が強い日は少し困る。

プリント飛ぶし。

カーテンうるさいし。

落ち着こうとしても、外の空気が勝手に入ってくるから。


……でも。


だからかもしれない。

今日、君がここに来るまで、なんか少し静かすぎた。

風だけ入ってきて、話す相手がいない感じ。

それで、余計に落ち着かなかったのかも。


……なに、その顔。

別に重くないでしょ。

ただ、隣が空いてると変な感じだったって話。


いつもあるものがないと、ちょっとだけ調子狂うことってあるし。

机の位置とか。

ペンの重さとか。

休み時間の音とか。

隣の気配とか。


……そう。

気配。


君って、うるさくないから。

必要以上に話しかけてこないし。

でも、いないと少しだけ静かすぎる。

そういう感じ。


……だから。

春風がうるさい日は、君が近くにいたほうがちょうどいい。


あ。

今、ちょっと目、逸らした。

なに。

そういうの、恥ずかしいんだ。


……ふふ。

そういうとこ、わかりやすい。


でも、ちょっと安心した。

君でもそういう顔するんだね。

いつも、もう少し平気そうな顔してるから。


……私?


私は……どうだろう。

たぶん、顔に出にくいだけ。

思ってるより、ちゃんと揺れるよ。

風が急に強い日とか。

隣の席が少し静かすぎる日とか。

花びらが髪についてるのを見つけたときとか。


……なに。

今の、変だった?


……そう。

ならいい。


あ、また風。


……ほら。

カーテン、こっち来た。

邪魔。


……ん。

押さえた。


……ちょっと、近いね。


でもまあ、仕方ない。

風のせいだし。


……ううん。

離れろとは言ってない。

今、窓閉めたら逆に目立つし。

このままでいい。

少しだけなら。


……静か。


……なんか、いいね。

今の感じ。


外では風が鳴ってて。

教室はまだ少しだけ空いてて。

近くに誰かいるのに、無理に話さなくていい感じ。


こういう時間、好き。

たぶん、君も嫌いじゃないでしょ。


……やっぱり。


よかった。


ねえ。

また今度も、こういう時間あったら、ここに来て。

別に毎回話さなくていいし。

窓の外見てるだけでもいい。

でも、君がここにいると、春のうるさい風もちょっとだけ静かになるから。


……あ。

今のは、ちゃんと覚えてていい。

今日はそういう日だから。


ふふ。

もうすぐみんな戻ってくるね。


じゃあ、その前に一つだけ。

……また、ここに来て。

君が隣にいると、私はわりと落ち着く。


……うん。

それで十分。


ほら、前向いて。

次の授業始まる。


でも、春風がまたうるさくなったら。

そのときは、少しくらい近くにいてもいいよ。

私はたぶん、そのほうがちょうどいいから。

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