24話 サキモーリィー先生
「皆、色々ありがとう。まずは出版社に出向いてサキモーリィー先生への挨拶できるものなのか、相談してみよう」
パイロットフィルムが完成した所で、虎之助さんが口を開いた。
「サキモーリィー先生って、どんな人なのか知ってる?」
俺はハルカに聞いてみた。
「私も直接は会った事ないから、よく知らないけど……女性で年齢が50歳くらいだったと思うよ」
「そうだよね、そういう一般的な情報しかないよね」
「こんな素敵なお話書ける人だから、きっと心の優しい綺麗な方だと思うよ」
ハルカは笑顔で答える。
× × × ×
出版社に行くメンバーは、俺と虎之助さん、義雄さん、そしてハルカになった。
(流石に俺たちだけで訪れても門前払いされるが目に見えているからな……本当にハルカには助けてもらってばかりで申し訳ない)
和彦はサボテンキツネ以外のキャラクターのモデリング作業を進め、哲さんはまたトラブルを起こしかねない危険性があるのでスタジオに待機する事になった。
× × × ×
俺たちは早速、街にあるサボテンキツネを出版しているボボラル出版社を訪れた。
この世界には本、雑誌、新聞などの媒体は存在しているようだ。
(TVやラジオがない世界だ、情報を得る為には紙媒体がメインなんだな)
「え!もしかしたガルドフ傭兵団のハルカさんじゃありませんか!」
俺たちを対応してくれた編集者のローラさんは、昔、住んでいた村が魔王軍に襲われた時にガルドフ傭兵団に助けてもらった事があるらしく、ハルカが訪れると客人として凄く丁寧に俺たちを対応してくれた。
「なるほど、これは凄い!サキモーリィー先生は新しい表現が大好きですし、アニメーション作品も喜ばれると思います!」
タブレットで出来上がったばかりのパイロットフィルムを見せた所、こんな嬉しいリアクションが返ってきた。
(これはいけるぞ!)
俺たちは期待できると感じていた。
「あまり時間ないのですよね。早速、サキモーリィー先生の自宅までご案内いたします」
「ありがとうございます、助かります」
話がスムーズに進んでいく。
× × × ×
俺たちはローラさんに案内されてサキモーリィー先生の家の前まで来た。
この世界にあるありふれた一軒家だ。
「売れっ子作家さんの家だから、もっと豪邸かと思っていました」
「先生は住まいにお金をかけない人なんです」
「堅実な方なんですね……」
やはり思っていた通りの清廉潔白な人なのだろう、サキモーリィー先生は。
「先生。サキモーリィー先生、ボボラル出版のローラです」
ローラさんがノックをする。
中から、走ってくる足音が聞こえてくると、
「ガタン!」と凄い勢いでドアが開く。
「おいおいおい!ふざけんなよ!締め切りは、まだだろうーがぁ!」
怒鳴りながらで出てきたのは濃い化粧の女性。
強めの香水の匂い、動物が刺繍された無駄に派手な服……簡単に言うと、大阪のおばちゃんみたいな雰囲気の人が出てきた。
(先生のお手伝いさんだろうか?)
「お世話になっております、サキモーリィー先生」
「え?この方がサキモーリィー先生!」
俺たち全員驚いた。
「はいはい、アタシがサキモーリィー先生よ!」
(イメージと大分違うぞ、恐ろしく違うぞ)
この人があの絵本を描いた人には見えない……いかん、いかん。人を見た目で判断してはいけない。社会人にもなってこんな先入観を持っていてはいけない。
俺は反省をした。
「うっひょ~、何だお前ら?面白れー服着てんな?」
某国民的マンガの主人公見たいな人だな。
俺は冷静に分析をした。
間違いないのは……なかなか癖が強い人だなという点だ。
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