12話 地底の巨人族
『ドガガガァガーーーン!』
突然と雷が落ちたようで物凄い爆音が響く。
「雷?」
俺は驚き、音が聞こえた方の窓を見た。
雷が、城にある金属製柱(避雷針のような)落ちたようだ。
柱が青く光、光を吸収していくように見えた。
「あれは何?」
「そっか、スネタは知らないよね」
「俺様がぁぁー説明してやるぞ!!」
俺の問いにガルドフ団長が立ち上がり話を続けた。
「『ブルークリスタル』が無くなった地底の巨人族たちの為に、雷をエネルギーに変換しているのだ。どうだスゲー感動しただろ!」
地底の巨人族……なかなか萌える設定だなと思うが……、
「すみません。全然わからないのでもう少し詳しく教えてください」
「今のでわかるだろーが?」
「わかる訳ないでしょう、私が説明するね」
ハルカが苦笑いしながら話始めた。
「ウーリュウ国の地下3000mほどにある空間に巨人族が暮らしていたの。彼らは『ブルークリスタル』と呼ばれている鉱石をエネルギー源にして生きていたんだけど……簡単に言うと食料にしていた、がわかり易いかな。でも10年ほど前に資源が底をついてしまったらしいの」
(鉱石で栄養を取っている生物がいるのか)
もしかしてここは地球とは違う惑星なのだろうか。
「代わりのエネルギー源なる物を探す為、地上に出ようとしただけど地底で暮らす巨人族にとっては太陽の光が強すぎて地上に出れないと分かったの。それで最初に接触した人類に協力を求めてきたんだ」
「人類の英知を集めて雷が『ブルークリスタル』の代替になる事を突き止めたのだ!ぐががふわははははぁ!」
急に立ち上がって高らかに笑うガルドフ団長だったが、グキっと顎が外れてしまった。
「あがががががぁ」
「父上、笑いすぎるといつもそうなる。いい加減にしてくださいまし」
「ミジーも同意見」
イリーナ、ミジーがあきれて溜息をつく。
「すみません、話が飛びすぎてよくわからないです」
俺も苦笑いしながら伝えた。
ハルカが説明を続けてくれた。
「私たち人類は『ブルークリスタル』のエネルギーに近いものを探した結果、同じエネルギーを持つのが『雷』って発見したの。
地底の巨人族は不思議な技を沢山持っていたからの彼らの知識と知恵を借りて落雷のエネルギーをキャパシターで集める事に成功したの。キャパシターに集めたエネルギーを更に地底の巨人族がクリスタル化する事を成功したんだ……つまり『ブルークリスタル』を人工的に作り出せるようになったの」
(地底の巨人族、凄い文明を持っているじゃないだろうか)
「だがそれだけではない!『ブルークリスタル』が兵器のエネルギーとして使える事がわかったのだぁ!そのお陰で魔王軍にやられるばかりだった人類が戦えるようになったのだ!ぐががふわははははぁ!」
顎が元に戻ったガルドフ団長が大声で叫んだ。
「兵器って、ハルカが持っていたあの青い球を打つ銃や、光る剣の事?」
俺の質問にゆっくりと席につきハルカが答える。
「レベルの高い魔物だとオリハルコンの剣でも歯が立たなかったの。でも『ブルークリスタル』のお陰で類は魔物たちと対等に戦える力を手に入れたって訳ね」
「地底の巨人族も人類が滅びれば、自分たちも滅びる事になるから協力してくれたのかな」
「ほう、するどいですねスネタ」
「ミジーも関心した」
「人類と魔物との戦いは100年近く続いて今や人口は半分ほどになってしまったの。人類が生き残る為には『ブルークリスタル』が無くてはならない存在になっているわ」
この世界で唯一、魔王軍たちと戦える力が、あの青く輝く『ブルークリスタル』という訳だ。
(地底の巨人族の文明……もしかして高度な科学力を持っているのかもしれない)
「ハルカ、巨人族の力を借りれたら元の世界に戻れる可能性があるんじゃないかな?地底の巨人族に会う事って難しいのかな?」
俺は単刀直入に聞いてみた。
「巨人族と接触できるのはウーリュウ国の王族のみになっているの。だから私たちのような傭兵が気軽に会う事はできないんだ」
「なるほど……そうだよね」
「『ブルークリスタル』で作られた武器は、魔王軍と戦う者たちにウーリュウ国軍から無償でご提供いただいているものですわ。正直私たちも地底の巨人族たちの事、詳しくは知らされていませんわね」
「ミジーは、いつか月夜の下で戦ってみたいと思っている」
「ありがとう。いきなり地底の巨人族の力を借りるのは無理にしても、何か不思議な力がこの世界に存在している事がわかっただけでも、凄い収穫だよ」
(地底の巨人族の力を、どうすれば借りる事ができるか……ここで生活しながらじっくり考えよう)
俺は少し考えてからまた口を開いた。
「色々とありがとうございます。やはり元の世界にすぐ戻る事は難しいという事はわかりました。ですので長期戦を見込んで仕事を探し働いて収入源を確保します。そしてその中で日本に戻る方法を探し続けます。チャンスは必ずあります、努力は報われる。俺は信じています」
「スネタ、私応援するから」
ハルカが笑顔で話す。
「良い心がけだ、俺様は殺したいほど気に入ったぞ!」
「明日、街を回って僕たちでもできそうな仕事を探してみようと思うんだけど、ハルカ案内をお願いできるかな?」
「もちろん、そのつもりだよ安心して」
ハルカが微笑みながら答える。
「人手は多い方が良さそうだな、イリーナとミジーも付き合ってやれ!」
ガドルフ団長が立ち上がりながら話す。
「このイリーナと職探しができるなんて良かったですわねスネタ。泣いて喜びなさいよ」
「ミジーも構わない」
イリーナとミジーも賛同してくれた。
「ありがとう、心強いよ」
俺は深く頭を下げた。
スタジオの皆の為にも頑張らないと。
俺は改めて決意を固めた。
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