↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
10/47

10話 ガルドフ傭兵団

「これが宿?」

ガルドフ傭兵団の移動型宿舎の前で俺は全体を見ながらつぶやいた。


「移動型宿舎『デーバル』。傭兵団は皆この中で生活しているの。依頼のあった都市にこのまま移動できるし凄く便利なんだよ」

ハルカが移動型宿舎『デーバル』について軽く説明してくれた。

馬ではなく、全長が10mはあるドラゴン4頭が、大型の車輪が4つ付いた宿舎を引く仕組みになっている。

全部合わせると全長50mはある。

「巨大な馬車……というか巨大なキャンピングカーって所だね」

「きゃん?ぴいかー?また聞いた事ない物が出てきましたわね」

「それ強いのか?戦ってみたい」

「乗り物だよ、こんなに大きくはないけどね」

イリーナとミジーが不思議そうに聞いてくるのを、苦笑いしながら俺は答えた。


「さぁ、中を案内するわ。いきましょう」

「うん」

俺はハルカたちと共に『デーバル』の中に入った。


×   ×   ×   ×


室内は木製で派手な装飾もなくシンプルな作りだが絵画が多く飾ってある。

傭兵団であってもこういうインテリアっぽい拘りはあるのだろうか。


(印象派っぽい絵だな……なかなかセンスが良い絵だ)


エントランスを抜け、廊下を進むと30畳ほどはありそうなリビングのような部屋に出た。

中央には大きなテーブルが置かれている。ここで食事などする所になるのかな。


「スネタ。ここで少し待っていて、私はガルドフ団長を」

と、ハルカが言い終わる前に

「ハルカァァァァァァァー!!!!」

突然、獣のような大声が部屋中に響き大男が、大斧でハルカに斬りかかってきた!

ハルカが剣を素早く抜き『ガキン!』と、その斧を防ぐ。


(魔物か!?)


「無事だったかあぁぁぁぁ!」

「ただいま戻りました!ガルドフ団長!」

「団長?この人が?」

俺は突然の事に少し驚く。

しかしその斧を持つ姿をみて思ってしまった。

(斧の重さの表現の勉強になるなぁ……)

俺はすぐにスマホを取り出し撮影をする。

イリーナとミジーの戦いの時は撮影できずに後悔してしまったからな、今回はしっかり撮影しておこう。

前の経験を活かして、まず撮影する事にした。


「ハルカ!心配したぞ!心配しまくったぞぉ!」

大男ことガドルフ団長が回し蹴りでハルカを蹴り飛ばした!

いやいや、無事じゃなくさせるおつもりですか?


だがハルカは、吹っ飛ばされるも宙返りして綺麗に着地した。

本当に綺麗な動きをするな……俺は見とれてしまった。


「私が死ぬわけがないでしょう、ガルドフ団長」

「確かにそうだな、ぐががふわははははぁ!」


体育会系のノリといった感じの団長だな。

いつもこんな感じのノリなのだろうな。


ガルドフ団長が俺に気付く。

全身をなめるように見てくる。

「なんだ?誰だ!?誰だ!?お前わぁぁー!」


昔のアニメで使われていたハーモニー処理をかけたような濃い顔で俺に訪ねて……いや怒鳴りつけてきた。

こんな悪役顔で声のデカイ人、あまり会った事がない人種だ。


(社会人たるもの、挨拶はしっかりできないといけない)

俺は名刺を取り出し、丁寧にガルドフ団長の前に差し出す。


「サンダーストラックアニメーションスタジオの鳥居(とりい) 須音太(すねた)です。本日はよろしくお願いいたします」

「はぁ?」

「CGアニメーターを担当しております」

「はぁ?」

(しまった、またやってしまった。CGアニメーターと言って伝わる訳ないよな)


俺は説明する事にした。

「あっ、CGアニメーターというのはですね」

「いとも簡単に感に触るやろう共だ!ぶっ殺すぞ!」


俺の説明を最後まで聞かずにガルドフ団長が斧を構えた。

「俺様は弱い奴が嫌いだ!勝負しろ!武器を持て」

「斧の構え方が格好良いですね」

「え?」

「惚れ惚れするほど、格好良い構え方です」

俺は心からそう思った。

やはり実際に重みのある斧を持った状態のポージングは違うな。

「ほっ、本当に?」

ガルドフ団長が体をくねくねさせながら、顔を赤らめて照れ始めた。

以外とチャーミングな人なのかもしれない。


「わかる?わかっちゃう?斧の構え方こだわりあんだよ。わかっちゃう感じ?」

「わかっちゃう感じです。大将としての威厳すら感じる見事な構えです」

「―っ!」

ガルドフ団長が天を仰ぐ。

どこがツボに入ったのか俺にはわからないが感動しているようだ。


「父上、良かったですね。斧の構え方鏡に向かって練習していたかいがありましたわね」

イリーナが笑いながら話す。

「え?ガルドフ団長って、イリーナとミジーのお父さん?」

「そう……鉄塊の斧を使いこなし闇を切り裂く……我らの父君、ガルドフ」

ミジーが何かそれっぽい雰囲気で紹介してくれた。


「ぐががふわははははぁ!よろしくな、スネタ!!」


笑顔で俺の名刺を奪い取る。


(イリーナとミジー……ガルドフ団長に全然似てないな)

そう思ったが、俺もまだ1年目とはいえ給料をもらっている立派な社会人だ。

このような事は口に出してはいけない事はわかっている。

オブラートに包みながら話すのがマナーというものだ。


「よろしくどうも。イリーナとミジーはガルドフ団長に似た所は、武術だけで良かったですね」

「え?何の話だ?」

俺は少し戸惑い気味のガルドフ団長の手を取り、握手を交わした。





「面白かった」「スネタを応援したい」と思われた方

下にある☆☆☆☆☆を押して、評価いただけたら嬉しいです。


またブックマークもいただけると、とても励みになります

よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。