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高架下探偵事務所  作者: 樋口凛
Bar“raise“

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2/4

Bar“raise“-前半-

物語が進みます、楽しんでください。

1週間ほど経ったある日、僕はキリさんに呼び出された。


指定された場所は、とあるビルの2階にある角部屋だった。


ドアノブに手をかけ、開けようとしたその時だった。


「やっと来たか、遅かったな」


そこには、髪が綺麗にセットされた、整った顔立ちの男性が立っていた。


「すみません、間違えました」


思わずそう言うと、男性は僕を見て言った。


「俺だ、キリだ」


僕は驚いた。まさか、こんなに顔が整っていたなんて。


そんな僕の横を通り過ぎ、キリさんは一人で部屋に入っていく。僕もその後に続いた。


「お邪魔します」


そう言って中に入り、顔を上げると、そこにはこの1週間で調べたのであろう資料や写真が、壁一面に貼り付けられていた。


その中には、もちろん僕の写真もあった。


いつ、どこで撮られたのか分からないものばかりだった。


少し怖さを覚えながらも、一つ一つに目を通していく。そこには顔見知りの人が数人いた。


そんな僕を見ながら、キリさんが口を開いた。


「この女性と仲良くなってもらう」


そう言って、一人の女性を指さした。


その女性は、僕と同じサークルに入っている2学年上の先輩だった。


僕には絶対に無理だ。


キリさんは続ける。


「この女性と仲良くなるのが一つ目の仕事だ」


僕は戸惑いながらも尋ねた。


「どうして仲良くなる必要が? 兄と知り合いなんですか?」


キリさんは少し面倒くさそうに答える。


「マサヤとどういう関係かはまだ分からない。しかし、この女性も“raise“に通っていた」


僕は正直に話した。


「申し訳ないんですが、女性が苦手なんです。しかも先輩だし勘弁してください」


キリさんは少し驚いた顔をして、


「君はマサヤとは正反対だな」


と、少し笑っていた。


兄は老若男女から好かれ、女性の扱いも確かに上手かった。


「じゃあ、この女性は俺が行く。君はこっちの人と仲良くなれ。簡単だろ」


そう言って、一枚の写真を渡してきた。


そこに写っていたのは、BAR“raise“の男性スタッフだった。


この人ならいけるかもしれない。


「分かりました。頑張ってみます」


僕は、キリさんの小さな優しさに少し心を許し始めていた。


この日の夜、早速BAR“raise“へと向かった。

最後まで読んでいただきありがとうございます。


まだまだ色々なことが起こっていきます。

ぜひ楽しみにしていてくれればなと思います。


引き続き『高架下探偵事務所』をよろしくお願いします。

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