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blood 血の誓い  作者: さくらもち
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裏切りと再会



やっと迎えに来た猿田によって、何とかメンタル的には、ホッとしたものの、このまま乗ってもあんこは、車ごと壊してでも、私を追いかけてくるだろう


でも、だからと言って刀も持ってない状態では、あんこと戦うにはリスクが多い


双剣を学校には持ち歩くわけにも行かず、家に置いたままにしているため、どうやったって今は手元にない状態


連絡する時間さえあれば、強ちゃんに持って来て、と頼めたのだけれど、そんな暇も時間もあるわけもなく、今だ



迎えに来た猿田の車に乗り込めば、ガシャン!と激しい音が鳴り、運転席を見ればあんこがフロントガラスを壊していた。


猿田がハンドガンで対応しているけれど、このままでは彼も危ない。


どうしたものかと、周りを見渡せば、後部座席に置かれた、猿田の刀が目に入り、咄嗟に掴み車を降りた




「お前らぁ…あたしにこんな真似して、生きて帰れると思うなよ!」




猿田の弾丸が、頬に擦った事が許せなかったのだろう、怒りで目を血走らせるあんこは、元は可愛い顔をしているのに、今では鬼の様に恐ろしい


彼女は、運転席目掛けて猿田の心臓を狙い、勢いよく刀を突き立てた



咄嗟に、持っていた猿田の刀で弾いたものの、あんこの怒りは治るどころか、逆効果


ゆらりとこちらに態勢を向けると、刀の先を私へと、突きつけた


「生意気なんだよ、お前」



生意気と言われようと、猿田を殺す勢いの彼女を放っておくこともできず、あまり自信はないが、両手で柄を握ると、勢いよく刀を振るうあんこの刃を受け止めた。


彼女の振りかざす刀は、重く、それでいて力もあり、正直気を抜いたら吹き飛びそうになる


受け止める度に、その重みが私の体を伝い、彼女が只者ではない事はすぐ分かった


彼女の刃を弾くたびに、キンキン!と金属音が響き、よく見れば刀が当たるたびに火花さえ見える


このままでは、彼女の勢いに負けそうで、足元に転がる鞘を足で掬い上げると、片手で鞘を掴み右手に刀を持ち変えた


右手の刀と左手の鞘であんこの剣を受け止めれば、鞘は軋むけれど、さっきよりは断然楽だ


ただ、確実に力の差を埋めるにはあんこよりも早く動かなければならない

力一杯にあんこの刀を押しのけ、後ろに数歩下がり距離を取る


双剣はないけれど、鞘と刀一本をいつもの様に持ち変え、構えれば地面を蹴りあげ、勢いよくあんこの方へ走り込んだ。


私の動きを読んでいたのか、彼女は近くに来た瞬間大きく刀を振り、私の顔の目の前に刃をむけた


目の前でギラリとひかる銀色の刃を、間一髪でしゃがんでよけると、立ち上がらせまいとすぐに肩に目掛けて刀を振り翳してくる


地面に手をつき、円を描く様に回り、彼女の脛を蹴り上げれば、一瞬だけゆらりと体が傾いた。


その一瞬の隙に、柄で彼女の鳩尾へと力を込めて突けば、あんこの柄を持つ手が緩み、鞘で刀を弾けば刀は勢いよく飛び上がり、地面へとカランと音を立てて転がっていった。



「?!…っく」


そのまま、顔を顰めながらお腹を抑える彼女の顔へ切先をむければ、銀色の瞳が揺れた



「私の勝ちでいい?」



悔しさと、お腹の痛さで顔を歪めるあんこへ息を整え、そう言えばあんこは睨みつけてくる


相変わらず、蔑んだ目で見られるのは嫌だけれど、腕のある人に勝てたのは、正直嬉しい




とりあえず猿田を呼ぼうと、未だに、苦しがる彼女に切先を向けたまま、視線を逸らせば、甘い血の香りと、激しい銃声音


──バァン!!


と、音がしたかと思えば、持っていた柄に銃弾があたり、刀は地面に音を立てて落ちていく。

銃弾が掠った指からは、少しだけ血が垂れ落ちた。


しかし、ちくりとした指の擦り切れた痛みよりも、こちらへ、淡々とした表情で、銃口を向ける人物に、意味がわからず、息が詰まった



「わぁ、強いんだね?僕、びっくりしちゃった」


私は銃口を向ける猿田の横で、退屈そうにしている少年は、どこかで見た事がある顔をしている


白髪に、真っ赤な瞳の少年は、私と目が合うと満面の笑みを浮かべた




「また会ったね、優しいお姉さん」






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