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blood 血の誓い  作者: さくらもち
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蔑む瞳

「少し遅れる…か、」


下校時間、友達と別れていつものように学校の近くのパーキングで待っていれば、猿田からメールが届き、内容を確認すれば、遅れると。


いつも、猿田には送り迎えをしてもらうのはありがたいけれど、逆に彼の負担になっていないか心配。


ただでさえ、鴉以外の仕事もしている猿田は間を見ていつも迎えに来てくれるのだ


その為、たまにこうやって待つこともあり、別に待つのは苦ではないが、只々申し訳ないなぁとは思ってしまう。



「私がもう少し強ければ、強ちゃんの負担にはならないのになぁ」


ボソリと、誰もいない駐車場でつぶやくと、返事を返すようにふわりと風が吹いた


周りを見渡せば、ほんの少しだけ薄暗くなり始めており、日が経つのはあっという間だ。


今はまだ、暑いけれど、あと1ヶ月もしたら秋になり、そして冬が来る。

夏は好きだけれど、冬はどうも苦手な季節だ。


勝手に、冬によく風邪をひいて寝込んでいたイメージがあるから、そう思ってしまうのだ


けれど、夏と同じで冬もイベントはあるし、そう考えれば楽みは多い。

今年の冬は、いままで退屈で億劫な冬とは違うだろう。

私も普通に皆と同じように、雪で遊んだりも出来るんだと思うと、それだけで胸が弾む。


そして、冬の1番のイベントはクリスマス。


恋人はいないが、妙にソワソワしてしまうのは、きっと今、私が恋愛をしているからかもしれない


どうせ、告白するならば、クリスマスに伝えてみるのも良いかもしれないが、あまり望みはなく、正直振られる可能性の方が大だ。


鈴は振られても諦めない、なんて言っていたけれど私には、鈴のようなメンタルは備えていないので、嫌だと断られたら確実に寝込んでしまうのは、目に見えている。


そうならないように、今のうちに精一杯王蓮に好いてもらえる様、魅力的な女性になりたい


今度、隙を見て本人に好きなタイプはどんな人ですか、なんて聞いてみようかな




一体、彼はどんな人が好みだと言うのか、気になる

私と真逆であれば、落ち込みそうだけれど今はまだ成長する見込みはある。


何てったってまだ16歳なのだから、まだこれからなのだ。





「ねぇ、あんたが海?」



トントンと急に肩を叩かれ、振り返ればそこにいたのは、見慣れない黒髪の少女

夏だというのに、白いパーカーに黒のスキニーパンツ姿の彼女は、背中に刀を背負い、気だるそうに私を見ている




「…だ、だれ?」



王蓮のことを考えていた為、背後に人が来たことに全く気が付かなかった

一歩下がり、鴉のまだ見ぬ餅月透が頭によぎったけれど、確か自分と同じ程の年齢の子ではなかったはずだ。



「あたしは、餅月あんこ。ちょっとあんたに会いたいって人が居るから、大人しくついて来てくんない?」



明らかに怪しいあんこに、はい、分かりました。なんて、簡単についていくほど、私も馬鹿ではない


ジリジリと後ろに下がり、彼女から距離を取ると、まだ薄暗いのにも関わらず、あんこは背中から刀を抜くと、私へと剣先を突きつけた




「いいから、さっさとついてこいよ。抵抗するならその足切り落とそうか?」



人間の分際で、あたしを待たせるなんて生意気なんだよ。



目の前にキラリと光る刃は、見たところ銀の刀。


だとしたら、これに切られたら怪我の治りは遅いし、そうなると確実に枯渇状態になってしまう 


護身用と持たされた拳銃は、カバンの中にあるが、拳銃を取り出すまでに、あんこが私に剣を突き刺す方が早いだろう



あんこには悟られぬ様に、鞄の中に手を入れ愛用の銃を掴むと、鞄ごと彼女に投げつけそばに駐車してある車へと走った。


その間、後ろからおい!と声を荒げたあんこの声が聞こえたけれど、振り向くまもなく車を盾にして、ハンドガンを構えた



「人間のくせに、調子に乗るんじゃねぇよ!」



先ほどよりも確実に苛立った声を上げたあんこは、車に刀を振りかざすと、スパーンと半分に車をぶった斬った


そのせいで、隠れていた私の姿は丸見え、ばっちりあんこと目が合い、苦笑いを浮かべる私に対し、彼女はにやりと笑みを浮かべた




「次は、あんたの番だけど?」



鈴の時とは違い、確実に私を嫌う眼差しと、逃げられない雰囲気に、手が震えるのが分かった









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