表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
blood 血の誓い  作者: さくらもち
55/77

内通者



天明がネストに行った後、誰も家にいないことを確認し、スマホから電話をかければ楽しそうに笑う電話の主




「あんたの言った通りに食事に誘ったけどダメだったわ」




あの日の夜、彼に言われた通りに王蓮を食事に誘ったけれど、仕事だと言われ彼は死人狩りへと向かってしまった


そのことを電話口の相手に話せば、電話の相手は想定内だと。




『そうなることも考えていたから、気にしていない』


「へぇー?あんたは気にしなくても私は気にするんだけど?」



『あぁ、結びの誓いだったかな?それは残念だ』




王蓮に血を飲ませることを協力してくれる、なんて言っていたくせに、他人事のような言い方は気に入らない



「あんたが協力してくれないなら、そっちの協力はしないわよ」




『それは困るなぁ、実際きみが王蓮を引き留めていれば鈴が捕まることもなく、今頃はあの少女はこちらにいたはずなんだが…』




「それは…」



『まぁ…でも、それも想定内だ。鈴を鴉に潜り込ませることに成功したのだから』


「…へぇ?だったら、次は私に協力してくれてもいいのよ?」



『…ふむ。仕方ない、王蓮とは今度飲みに行く約束をしているから、その時に君の目的を達成すればいい』




どうだ、それでいいか?と言われ、とりあえず私の目的が果たせるのなら、それでいい




『あぁ、それと鈴の事を頼むよ。あの子は妹の大事な娘だからね』




そんなに大事な子なら、なぜこちらの捕虜にしたのだ。


わざわざ、捕虜にするぐらいだから、たいした子じゃないと思っていたのに




「…分かったわよ、とりあえず約束は守ってよね」




電話を切り、ベットへと横になると仰向けになりアイボリーの天井が視界に写った



ここに来た目的は、王蓮に自身の血を飲ませること、その為だけにココに来たのだから、絶対に達成しなければならない。



幼い頃から好きだった王蓮が、唯一振り向いてくれる方法はもうこれしかないのだ


元々婚約者だったのだから、このぐらいしてもきっとバチは当たらないはず。


昔は皆そうやって結婚していたと母も言っていたのだから、これは普通のことだ




ただ、気になるのはアダムが自分の姪っ子まで巻き込み、海を手に入れようとしている理由はよく分からない


人間から吸血鬼に変化したのは確かに興味深いけれど、そこまでして欲しい血なのだろうか…?





「あーーー!!もう考えるのはめんどくさいわ!…とりあえず、今は血を飲ませることだけに集中」




そうだ、いくら考えたって理由なんか分からないなら、もう直接本人に聞いたほうが早い


けれど、今はそれよりも自分の目的のことだけを考えようと、ゆっくりと目を瞑った










「父さん?誰と電話してたの?」



明凛と電話を終えれば後ろから、寝起きの息子が声をかけた


眠たい目を擦り、寝癖のついた白髪を整えてあげれば、目を細め嬉しそうにしている可愛い我が子



「エデンおはよう。友人とお話ししていたんだ」



「そっか、…ねぇ父さん、昨日からりんが帰ってこないけど、どこに行ったの?」


「あぁ、鈴はもうすぐ学校が始まるのに課題をしてなくてね、テーマが山らしく昨日から友人と北洋山にお泊まりに行っているんだ」


「へぇ?りんって、友達いたんだね…」


「あはは!鈴も友達くらいいるだろう?…もしかして、鈴がいなくて寂しいのかい?」




いつもは、鈴がエデンにくっついているイメージだったが、意外にも寂しそうにしているエデンに尋ねれば、息子は口を尖らせ、寂しくないよと拗ねている。



なんだか少し寂しげな息子に、鈴に早く帰って来るようにと伝えてみるよと言えば、息子は喜んで赤い瞳を輝かせた



「早く帰ってこないかなぁ」








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ