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blood 血の誓い  作者: さくらもち
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気の強い女

天明side


自宅で、ぐちぐちと文句ばかり言う姉に適当な返事を返せば、ちゃんと話を聞いてよ!と何度も怒鳴られ、嫌気がさしていた


「せっかく、ディナーに誘ったのに今から仕事だって私を残して出てったのよ?!どう思う??」



どう思うも何も、一緒に食事に行きたくないからだと思うが、それをそのまま伝えれば、またガミガミと怒鳴られるのだろう


だったら、そうなんだ?なんでだろうね?と聞き返しておくのが一番いい



「せっかくのチャンスだったのに!」


「…姉さん、もういい加減やめたら?」


「は?」


だけど、良い加減愚痴を聞くのも聞き飽きた。

姉の為を思い時間の無駄だからだよ、と正直に言えば更に目を釣り上げ鋭い目つきで睨んでくる。


つい、言い過ぎたと思った時には、テーブルに置いていた果物ナイフが飛んできた後だった



間一髪の所で避ければ、壁に突き刺さる果物ナイフ


せっかく、綺麗な白い壁に穴が空き、見るだけで気分が下がっていく


綺麗に刺さったナイフを抜き、穴の空いた壁を手でなぞり、どうにか塞げないかと頑張ってみるも、白い壁だからか空いた穴が黒く見えて、余計に目立つ


ショックのあまり、ため息を溢せば自身のスマホの着信音がなり、画面を覗くと王蓮からだった


壁に空いた穴を、名残惜しく指でなぞり王蓮の電話に出れば、白蛇に海がやられたからネストにこいよと一言


電話の内容を聞いて、大きな声を出せば近くにいた姉から、うるさいと怒鳴られた



王蓮の電話をすぐに切り、出かける準備を始めるとどこに行くの?と姉に声をかけられ、壁のこともあり、不貞腐れて答えれば、私も行くと言い出す



「いいよ、来なくて!」


「は?行くわよ!!海が襲われたんでしょ?!」


「だからってなんで姉さんも行くの!」


「なんでって、あの子は気に入ってるからよ!ほら!早く行くわよ!」




なんで、付いてくるんだと思いつつも、早く海の安否を確認したくて、急いで車を走らせた






ネストについて早々、海に駆け寄ればとっくに怪我は治癒した後で、既に無傷だった


とりあえず本人に何があったのかを聞けば、白蛇に連れ去られそうになって王蓮が助けてくれたと。


まさか、王蓮が海を助けたとは思わず驚いたけれどそれよりも、凛という子に負けそうになった海は、今回の事で、自分の弱さを知り落ち込んでいた


やけに、いつもよりも空元気に見え、慰めるつもりで、海の頭を優しく撫でていれば、隣で生暖かい目で見つめてくる姉の視線



「あらあら〜」



変な勘違いをしている姉は気にせず、無視していれば、王蓮から呼ばれ海を士郎に預けてから王蓮の元へ向かった



なぜか、珍しく姉も一緒にと呼ばれ、3人で王蓮の部屋へと入れば、やけに深刻そうな表情を浮かべる王蓮に眉を顰めた




「ん、どうしたの?」



「今から話す事は、口外するなよ」


「なに?」


「鴉の中に白蛇に洗脳された奴が紛れてる。今はまだ、誰が洗脳されてるのか分からないから気をつけろ」



「あ〜…僕達には洗脳が効かないからね」



「でも洗脳されてるなら、血薬で治せばいいじゃない」



「それも思ったけど、治してもまた洗脳されたらそれの繰り返しでしょ、だったら手っ取り早く洗脳してる奴を潰したほうが早い」



「…まぁ、確かにそうだね。」



「じゃあ、その洗脳してる奴はどこにいるのよ?」



「……それが分かってたらすぐに始末してる」 



「ん〜、なら僕は何をすればいいの?」



「鈴てやつを捕まえてる、そいつの血液を調べて」




「じゃあ、まずはその子に挨拶しに行こうかな」



「口の減らない生意気な奴だよ、お前がうまく話して、白蛇の事を聞き出してくれると助かる」



「へぇ〜?そんな気の強い子なんだ?」



口の減らないという事は、姉に似てるのだろう

まるで姉の事の様な言い振りに、チラリと横にいる姉に視線を向ければ、なによ?と睨まれた



姉も一度くらいは自分と似た、気の強い子でも見て、己の性格を見直すべきだ


そうすれば、平気で人の家の壁に穴を空けるなんて馬鹿な真似はしないだろう




「姉さんも行く?」



「行かない。私、気が強い子は嫌いなの」




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