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blood 血の誓い  作者: さくらもち
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白蛇と鴉

王蓮side



銀の手錠を付け椅子に座らせれば、こちらを睨みつけ、先ほどからギャーギャーとうるさく喚く鈴に、イライラしてしょうがない



「この変態!!こっち見ないでよ!」


勝手に変態扱いされ、ピクピクと眉間の皺を動かせば、隣にいた風太郎は、あははと乾いた笑いを浮かべた



「王蓮、我慢してよ?」



風太郎に耳打ちされ、そっと拳銃を握っていた手を外し、ギロリと鈴を睨みつけた




「お前が、さっさと吐けば殺さない。ちゃんと俺の質問に答えろ」





「はぁ?なにそれ?あんたに話すわけないでしょ?」


未だに、あんた呼ばわりの生意気な態度は気に入らないが、白蛇の情報を得るにはこいつが必要だ


口は達者なくせに、なかなか口を割らない所は思っていたよりも厄介そうで、めんどくさい



「じゃあ、そのままここにいれば」


「…!!」


何も喋らないの一点張りの鈴にそう言えば、一瞬だけ動揺したのか、言葉を詰まらせたのを見逃さなかった



「嫌ならさっさと答えろ、死人を洗脳してるのはお前?」



「…なんであんたに答えなきゃいけないのよ!」


「…」


かちゃりと拳銃を握り、床に発砲すれば一瞬ピクリと揺れる鈴の体



「次、答えなかったらお前の足を狙うよ」



表情を変える事なく、淡々と言えば明らかに苦い顔をした鈴は、そんなに頭は悪くないようだ



「まぁまぁ、落ち着いて王蓮。…君は白蛇なんだって?仲間は君だけ?それとも他にもいるの?」



「…そんなの、答えるわけないでしょ?あんた、馬鹿なの?」



俺を制し、鈴に対して優しく笑いかける風太郎だったが、鈴は躊躇うことなく生意気な言葉を吐いた



歳の離れたガキに馬鹿と言われ、しかもあんた呼ばわりされた風太郎は、穏やかに微笑んではいるが一瞬だけ空気が変わった。


優しい笑顔は絶やさないが明らかに雰囲気は冷たくなったのを確認して、風太郎に声をかければ苦笑いを浮かべた



「あはは…元気な子だね」





「ねぇ、枯渇した状態でそのまま放置したらどうなるか知ってる?」



「…な、なによ、私を脅してんの?!」


「別に?知らないなら教えてやろうかと思って」



明らかに、グッと唇を噛み締める姿を見るに、あの苦痛は知っているのだろう


それならば好都合だと、拳銃を手に鈴の太ももに銃口を向ければ、慌てたように声を上げた



「……わ、分かったから!答えれば良いんでしょ?!」




ふむ…、最初からそうしておけばいいのにと、銃口を向けたまま、小さくため息を吐けば、風太郎は鈴の近くへ行きいつものように、穏やかな口調で語りかける



「それは賢い選択だね、王蓮は本気で使い物にならないと思ったら君を殺す、発言や行動にはくれぐれも気をつけた方がいい。…早死にしたくなければね」



「……」



苦虫を噛み潰したように顔を歪める鈴は、悔しげな表情を浮かべると、先ほどの威勢の良さは無くなりほんの少しだけ、大人しくなったように見える




「なんで、海を狙った?」




「…エデン様が、あの子の血を欲しがってるから」



「エデン?そいつが白蛇の創設者?…なんで、あいつのことを知ってる?」


こいつが、海を連れ去ろうとしていたのは知っている、しかしなんで白蛇が海の血を、欲しているのかは謎だ


あいつが、元人間だということも俺達以外に知るやつはいないはずだ


しかし、こいつの話によればエデンと呼ばれる創設者は、その情報を知っているのだろう


もし、そいつが洗脳能力を持っているのだとしたら、既に鴉の中に洗脳された者がいてもそれは不思議ではない



「そう!エデン様は神聖な存在。彼が知らないことはないの!だって、全て彼の手の中なんだから」




「…じゃあ、そいつに会うにはどうしたらいい?」


「は、会う?あんたが?…あははは!冗談はやめてよ、あんたみたいな穢らわしいやつが、エデン様に会えるわけないでしょ!」



──バァン!!!



うちの鴉に手を出したのだから、直接会って挨拶をするのは当然だ、しかし鈴の一言が気に入らない


鈴の右足に引き金を引けば、激しい銃声と共に血の甘い香りが部屋中に漂い始めた



「っ!くそ!さいってい!」


「無駄口じゃなくて、質問に答えろ」


「龍王蓮!!あんたは…もうすでにエデン様の手の中!鴉に洗脳されてる奴が居るのにも気がつかない間抜けのくせに!!!」



鈴は太ももから、出血し床を赤い血で染め上げていく様を悔しげに眺め、痛みで顔を歪めるとこちらを鋭い眼差しで睨み、大きな声を張り上げた



撃たれた痛みと、悔しさでついついぽろりと出た鈴の言葉に、ニヤリと笑えばチェリーピンクの瞳を揺らし、しまったと更に顔を引き攣らせる



「へぇ…洗脳されたやつが鴉にいるって?」



「なるほど…だから情報が漏れてたんだね」




「……っ」



口が硬いのは認めるが、怒りは抑えられない性格なのだろう、挑発すればするほどボロが出るのは扱いやすい



「で、洗脳されてるのは誰だ?」


鴉に洗脳されている奴が居ると言われたら、こちらも黙っておくわけにはいかない


そもそも、うちに手を出した時点で白蛇は潰すしかない、あっちがこちらを食うつもりなら、こっちも白蛇を食い潰せばいい話



「っ…、そんなの…私にも分からない!」


やり取りは電話でしかした事がないと言う鈴に、嘘を言っているようには見えず、とりあえず今日はここまでで十分だろう




「王蓮、どうする?」




「…こいつの事を天明に調べさせる、それまでここから出すな」



「あぁ、わかった」



とりあえず、聞きたい情報は一応聞けた。


後は、こいつの血を天明に調べさせれば大体のことはすぐに分かるだろう


尋問部屋を後にし、自身の部屋へと戻ると天明へと電話をかけた




「あぁ、俺。お前の弟子が白蛇にやられて死にかけてたよ、とりあえず無事だけど…今からネストにこいよ」



電話越しから、はぁ?!と大きな声を上げた天明の声が聞こえて、一瞬スマホを耳から外し、また戻せば今から行く!と一言残しすぐに切れた



「…あのガキは、そのまま天明に任せるか」



あの威勢の良さは嫌いではないが、あの生意気な物言いは気に入らない。




ソファーに背中を預けて、これからの動きについて考えていれば、コンコンと扉を叩く音と、聞き慣れた声が耳に入った


入れと、一言返事を返せばガチャリと扉を開けて入ってくる水色頭


わざわざお礼を言いに来るとは思わず、適当に頷けば、相変わらず澄んだスカイブルーの瞳が俺を射抜いた




「私、もっと強くなります」





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