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blood 血の誓い  作者: さくらもち
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赤い瞳

激しい雨音と、チカチカと音の鳴る車内、痛みと恐怖、不安が頭をぐるぐると渦巻き、幼い私はただ、泣く事しか出来なかった


割れた窓ガラスの隙間から入ってくる雨に打たれ、服は濡れて鉄の匂いと、外のアスファルトの匂いが混ざり、気持ちが悪い



張り付いた洋服はべたべたで気持ち悪く、運転席に座る両親を見るけれど、父や母は何も反応してくれず、私は心細くただひたすら泣き続けた


季節は6月だというのに、雨に濡れているせいで肌寒く、どんなに泣いても、両親も誰も答えてくれない恐怖と、お腹に刺さる硝子の痛みで震えが止まらない。



そんな中、ふと耳についた車の扉を閉める大きな音



パシャパシャと、水を鳴らしこちらへ近づいてくる足音と、甘い匂いがふわりと香ると、その瞬間、後部座席の扉が開き、赤い瞳と視線が重なった


雨に濡れて寒いからだろうか、彼の赤い瞳はまるで炎の様で、暖かい、そう思えて、なぜかほっとした。









ぱちりと目を覚ますと、見慣れた天井が目に入り、白と黒の天井で、すぐにここがネストだと理解できた。


記憶の様な、やけに鮮明な夢を見て昔の事故の話を思い出した。


正直あまり、あの時の記憶はないけれど夢で見たあの赤い瞳が印象的で、なぜか王蓮の瞳と重なったのは、きっと色が似ていたからだろう





ふぅーと息を吐き、ゆっくりと体を起こせば、さっきまでの手足の痛みは全くなく、撃たれた箇所をみても綺麗な肌のまま






「あ、起きた?」




穏やかな声が聞こえ、視線を向ければ、まりが直ぐ側に座っており、彼女が看病してくれたのだとすぐに分かった。



私へと水を差し出すと、どこか申し訳なさそうにごめんねと。


お礼を言い水を受け取り首を傾げれば、彼女はまた表情を曇らせた



「私達がいたのに、危険な目に合わせてごめんね」


「…え?いや、謝らないで下さい!単純に私が弱かったから」


「そんな事ない、海ちゃんは強くなってるよ。ただ、まだ日が浅い貴女から目を離すべきじゃなかった…」


「でも、こうやって私の事助けてくれたじゃないですか、まり先輩は悪くないですよ」



「…海ちゃん、私は処置しただけだからね。ちなみに助けたのはボスだよ。覚えてる?」


「ありがとうございます!はい!覚えてます、えっと…ボスは?」


「今ね、鈴って子とお話し合いしてるから、終わったら後でお礼にいったらいいよ」



まりの言葉に、はいと返事を返し水を飲んでいれば、いきなりバン!と盛大な音を立てて扉が開いた



「大丈夫かっ?!」



慌てた様子の猿田に、大丈夫!と言えば、近づいて来た猿田の頭を急にグーパンチするまりに驚けば、猿田は声を上げた


いて!と声を上げ頭を抑える仕草をする猿田に、まりは海ちゃんはもっと痛い!と声を荒げる



「あんた!海ちゃんの事どうして見てないの?あんたが側にいないから、大変なことになってたのよ?」


「…ごめん。それは、本当にごめん」


「あんたは何してたのよ?」


「俺は、こないだ見た人影が見えたからそっちを追ってて…それで、こいつを1人にした、本当ごめん!」



いつもと違い、本当に申し訳なさそうにしている猿田はこちらを見て苦笑いを浮かべてくる



「本当ごめん、事情はボスから聞いた…もう1人にしないから!」




猿田は、王蓮から連絡があってお前何してたの?と詰められたらしく、それを説明する猿田の話を聞いて、頬が緩んだ


普段は、冷たく見られがちで怖いイメージの王蓮は、意外と私の事を鴉として認識してくれているみたいで、正直嬉しい



まぁ今回のことは、私の力不足であり決して誰も悪くない、これを機にもっと自分を鍛えようと思えたのだから。



それに猿田は、白蛇を捕まえようと必死だったのだろうし、その選択も決して間違いじゃない


結果はどうであれ、結局は鈴という少女を捕まえたんだから、もう気にしないでほしい





「強ちゃん…私もっと強くなる」












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