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blood 血の誓い  作者: さくらもち
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偽りでも

天明 side



「天明はあの子が好き?」 





海達と別れた帰りの車の中、突然海が好きなのかと質問してくる姉に、素直にうんと返事を返せば、姉は楽し気に目を輝かせた



たぶん、姉の思っている好きと僕が言っている好きは、意味が違う




「姉さんの好きってどういう好き?」


「はぁ?それは勿論、恋愛としての意味よ」


「じゃあ、僕の好きは家族としての好きだから違うよ」


「へぇー…家族ねぇ」




すぐ、こうやって恋愛に結びつけようとする姉の恋愛脳は正直言って苦手だ。 




「僕、鴉はみんな家族だと思ってるから」



「へぇ〜…」




はっきりと、否定しているのにも関わらず姉は、あんまり納得していない様子だけれど、僕は気にしないことにした







 



『あ〜天明の代わりにってこと?』


「そう、王蓮は行かないだろうし風太郎がいれば安心だから」



今日、元々海達と北の見回りに行くつもりだったけれど、急な姉の来日で全ての予定がガラリと変更に。


その為、自宅に帰り早速代わりにと、風太郎に連絡すれば彼は快く引き受けてくれた。



この間とは違い、今日は朝まで北の境目で過ごすことになるので、正直僕がいない間にもしもの事があっては、心配だ


まぁ、実際は側に士郎がいるから、そこまで気にする事でもないけれど、また此間の様に洗脳された死人がいつ現れるかも分からないし、正直油断はできない


まだまだ、海は鴉に入って日が浅く、なんなら弟子になって、まだ1ヶ月も経っていない雛鳥


教える事がまだ、沢山あるというのに僕がいない間に、あの子に何かあればと、変に心配してしまうのは、可愛い僕の弟子だから


しかし、その心配は風太郎のお陰で心配することはなさそうで、とりあえずホッと胸を撫で下ろした。




「ねぇ、今日王蓮くる?」



風太郎との連絡が終わると、隣で荷物の整理をしていた姉が王蓮は?と僕に期待した眼差しを向けてくる




「ん〜…どうだろうね?」



「まぁ…来ないなら私が会いに行けばいいわね。買った服でも着て行こうかしら?」




王蓮が来ないなら、別に会いに行くと言い出す姉に、そこまで王蓮に会いたいのかと、感心する


ここに来るかは分からないと答えれば、姉は特に落ち込む様子もなく、早速会いに行く服を選んでおり、やけに楽しそうだ



ここだけの話、王蓮は昔からこの姉が苦手だ。

昔、姉との婚約が勝手に決まった時も、王蓮はとても嫌そうにしていたのを、僕は知っている




「私ね、今回は本気だから…もしも、邪魔なんて馬鹿な真似したら、いくらあんたでもタダじゃおかないわよ」



購入した服を、鼻歌を歌いながら楽し気に選んでいるかと思えば、姉は急に歌うのをやめて、いつもより声のトーンを下げ、低い声で僕に言い放った



「─どういうこと?」



明らかに、空気の変わった姉に、少しだけ間を置いて聞き返せば、姉は鋭い目つきで僕を見据え、決して冗談ではなさそうで、ほんの少し緊張してしまう



「私が王蓮に血を飲ませようが、あんたが止める権利はないってことよ。…また、昔みたいに邪魔したら今度は容赦しないから」



姉の血を飲ませる発言に、姉がしようとする事がすぐに理解できた。



昔から姉は、王蓮に自分の血を飲ませようと必死だったのを、僕は知っている


毎回、王蓮に自身の血を飲ませようとする姉を、僕が何度も邪魔していたから、姉はきっと今回もまた、あの時の様に邪魔をするなと釘を刺しているのだろう



「でも、血で惚れさせても意味がないんじゃない?」



「そう?…やってみなくちゃ分からないじゃない」





姉が、ここへ来た理由は龍家の今後を話し合うためではないみたいだ


未だに、ずっと王蓮にこだわる姉には驚いたが、きっとどう頑張っても絶対に叶うことはないだろう




今度こそ、王蓮に血を飲ませると意気込んでいるけれど、あの王蓮が姉から貰ったものをそう簡単に、口にするとは思えないから







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