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blood 血の誓い  作者: さくらもち
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早い者勝ち



「ボスですかね?」




ここにはいない王蓮の名前を出せば、猿田はそれはそうとすぐに頷いた。


王蓮を見た人は全員が、そういうだろう。


外見もだが、王蓮は中身もかっこいいと私は思っている




しかし質問してきた明凛は、あれだけ乗り気だったにも関わらず、ボス?と小さく呟くと一瞬だけ笑顔が消えた



同時に、横にいる天明もいつもの穏やかな表情じゃなく、明らかに顔を引き攣らせたように見えたのは気のせいだろうか?


ふたりの様子からして、もしかして王蓮の名前を出したのが、いけなかったのだろうか?と不安になったが、すぐに明凛は私に笑みを向けた。





「いいしゅみしてる」



「海はいい趣味してるって」





明凛の拙い日本語を訳す天明は、先ほどの引き攣った顔ではなく、いつも通りの表情に戻っており、よかったねと私に向けて安堵の表情を浮かべた。




そのまま、何もなかった様に白いチーズケーキをパクリと口に頬張ると、もぐもぐと美味しそうに食べ始めており、いつもの天明だ





明凛はというと、私の答えを聞くと嬉しそうに頷いていたので、やはりさっきのは気のせいかと、ホッと胸を撫で下ろした。





「てか、ボス達って顔整いすぎなんすよ」



「うん。それは私も思う」




実際、親戚にこんな綺麗な人達がいたら、いくら従兄弟といっても、緊張してしまうだろう




「正直、私が男なら絶対明凛さんに惚れてます!」




そう、本人に言えば一瞬だけ、目を丸くした明凛は、すぐにまた嬉しそうに頬を緩ませた





「ふふ、かわいいこネ?きにいった」







明凛の言葉に嬉しく、ニヤニヤしていれば猿田に、お前その顔やばいよと言われた



確かに自分でも、今の顔は緩すぎて酷い顔をしているだろうと思う。



猿田に言われるのは正直癪だが、今はそんなのは気にならないほど、気分がいい




天明は相変わらず、チーズケーキが気に入ったのか、また同じケーキを注文すると、二皿目を黙々と食べており、次は何にしようかとメニュー表を真剣な眼差しで眺めている。




どう見ても、話よりも食べることに夢中な天明を、明凛は呆れ顔で見ていた。





「相変わらずよく食うな?」



「いつもの師匠で安心したよ」



「あれ?…皆はもう食べないの?」



「てんめい、さっきもたべたネ?まだたべる?」



「え、デザートは別腹だヨ?次は、チョコケーキ2つとレアチーズケーキを2つ食べようかな〜」





早速店員さんを呼ぶと、またケーキを注文する天明を見て、明凛は私達にいつもこうなの?と、怪訝な表情を浮かべている。



いつもですよと笑えば、彼女は眉間に皺を寄せ呆れていた



よくご飯を食べに家に泊まりに来る事も言えば、更に目を開いて驚くと、隣の天明の頬をつねりあげた






「めいわく、かけない!」



「いひゃいよねえひゃん」





天明が頬をつねられ怒られている様子は、中々見られないレアな場面なので、猿田と共にすごいねと言いながら2人を眺めた



こうしてみると、本当に2人は姉弟だなと少しだけ羨ましくなり、私も兄妹がいたらなぁ、なんて、普段は思わないことを考えてしまう




「私もこんな綺麗なお姉さんが欲しかったなぁ」




2人を眺めついつい、そんな言葉を口から溢せば、3人からまじまじと視線を向けられた。




「ならあげるよ?」



口うるさいけど、と天明が一言付け足し言えば案の定また頬をつねられていた


明凛は、しばらく天明の頬をつねり、気がすむとカタコトながらも日本語を話し始めた




「わたしも、うみがいもうとなら、うれしいヨ」




天明とよく似ているけれど、彼女は少しつり目で、一見気が強そうにも見える。


だけど、小さな事だけれど、日本語がうまく喋れないのに、自分の言葉で伝えようとしてくれる気持ちを知って、明凛が優しい人なのだと私は思った



嬉しくて、うへへと頬を緩ませていれば横から猿田が間抜けな顔だと、茶々入れしてくる



彼の言葉は一旦スルーして、目の前の明凛さんへと笑顔を向けると、早速連絡先を交換した。





せっかくの出会いなのだから、ちゃっかり連絡を交換ぐらいしてもいいだろう 



交換を終え、いいでしょう?と自慢げに隣の猿田にドヤ顔をすれば、彼はくっ…と羨ましそうに唸ると、そっとポケットから自身のスマホを取り出した


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